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実はこんなに凄かった! 女王オチョアの足跡

2010/12/25 12:07
実はこんなに凄かった! 女王オチョアの足跡

 

 宮里藍が日本人初となるロレックスランキング(女子ゴルフ世界ランキング)No.1に輝いた2010年。その大きな要因となったのは、親友ロレーナ・オチョア(メキシコ)の引退だった。

 元女王アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)から世界ランク1位の座を受け継いで丸3年目の2010年4月23日、オチョアは電撃的に引退発表を行った。「米女子ツアーのシーズン開幕戦でタイに行ったとき、今まで感じたことのない寂寥感に襲われました。もう現役を続けることはできません。競技ゴルフに身を置いていたことで失ってしまった家族との時間を取り戻したい」と胸中を語ったオチョア。「これは悲しい引退ではありません。私にとって今日は人生最良の日」と涙ながらに笑顔を見せた。

 その翌週の米女子ツアー、母国メキシコで開催されたトレス・マリアス選手権を最後にツアー競技から遠ざかり、チャリティ活動やエキシビションマッチなどに勤しむ日々を過ごしている。そして、オチョアの引退によって激しさを増したのが世界ランクNo.1争い。上位5〜6人がほんの僅かの差の中でトップの座を競い合い、毎週のように目まぐるしく1位が変動する状況となったことを考えても、それまでのオチョアがいかに“不動の女王”だったかが理解できる。

 ツアーメンバーとなった2003年から今シーズンまで計174試合に出場したオチョア。そのうち170試合で予選通過を果たし、トップ10入りは109回。実に全体の63パーセントで10位以内の成績を収めていた計算になる。さらにトップ3は63回。こちらも3割を大きく超える36パーセントの確率なのだから恐れ入る。ちなみに優勝27回は勝率1割5分5厘。20試合ごとに3勝の計算だ。特に2006年からの3シーズンは全盛期で、出場72試合のうち予選落ちはゼロ。トップ10入り58回、優勝21回(勝率2割9分2厘)と驚異的な数字を残し、3年連続賞金女王にも輝いている。

 宮里が「今年最大の目標」と公言して話題となったプレーヤー・オブ・ザ・イヤーのタイトルは、2006年から昨シーズンまで4年連続で獲得。優秀なゴルファーの証である年間平均ストロークで争うベアトロフィーも、同じく2006年から4年連続で受賞している。わずか8年間の現役生活で稼ぎ出した生涯獲得賞金額は、ツアー史上歴代3位となる1,486万2,660ドル(約12億5,000万円)だ。

 一方、メジャー大会での通算優勝回数はわずか『2』。2007年全英女子オープンと2008年クラフト・ナビスコ選手権の2勝だけというのはオチョアにしては少ない気もするが、全英では後続に4打差、クラフト・ナビスコでは後続に5打差をつける見事な圧勝劇を披露した。また、3年前の全米女子オープンでは最終日まで壮絶な優勝争いを演じるなど、ことメジャーに関しては記録より記憶に残るプレーヤーだったといえるのかもしれない。

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