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注目選手振り返り 〜野村敏京〜

2016/12/20 11:50
注目選手振り返り 〜野村敏京〜
11月、LPGAロレックス・プレーヤーズ・アワードに出席した際の野村。(写真提供:Getty Images)

 

 年間王者に輝いたアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)やリディア・コ(ニュージーランド)の陰に隠れがちではあるが、野村敏京は今年の米女子ツアーにおいてブレイクした選手の一人といっても過言ではないだろう。2012年の宮里藍以来となる1年間での複数優勝を達成した野村にとって、2016年は飛躍の年となった。

 米ツアー本格参戦3年目となった今年、野村は開幕から2試合連続13位タイと上位争いに加わると、早くも歓喜の瞬間が訪れる。2月のISPSハンダ・オーストラリアン女子オープンで、トップタイで最終日を迎えるとリディア・コとの優勝争いとなるが、8バーディ、1ボギーの7アンダー「65」と猛チャージ。世界女王を抑えて日本人選手としては2012年8月の宮里美香以来となる優勝トロフィを獲得した。

 さらに次戦でも5位タイに入るなど勢いを衰えさせることのなかった24歳は、4月のスインギング・スカーツLPGAクラシックで早くも2勝目。2日目に単独トップに立つと、3打差のアドバンテージを得た最終日も強風の難コンディションのなか、後続を寄せ付けず。最終的には2位に4ストローク差をつける圧勝劇だった。そして、この2つの勝利でロレックスランキング(女子世界ランキング)を大きく上昇させた野村はリオデジャネイロ五輪にも出場を決める。

 リオでは3日目を終えて15位タイと苦しい戦いを強いられたが、迎えた最終日。前半を2アンダーで回ると、バックナインも4アンダーとスコアを伸ばし、6アンダー「65」をマーク。ホールアウト時点では3位タイとなっていたが、メダルには1打及ばなかった。それでも、ツアーに戻ってからは終盤戦まで上位争いを展開。トップ10入りは6度を数え、最終戦の「CMEグループ・ツアー選手権」まで逆転での年間女王獲得のチャンスを残した。

 野村の次なる目標は、やはりメジャー優勝だろう。今季のメジャー大会で成績は、エビアン選手権の単独8位が最高位。トップ10入りしたのも同大会のみとなった。果たして、樋口久子以来約40年ぶりとなる日本勢のメジャー優勝達成の瞬間は訪れるのだろうか。

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