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注目選手振り返り 〜ダニー・ウィレット〜

2017/01/06 15:59
注目選手振り返り 〜ダニー・ウィレット〜
マスターズで初のメジャー優勝を果たしたD.ウィレット。(写真提供:Getty Images)

 

 ジョーダン・スピース(米)が連覇を逃したマスターズで英国勢として20年ぶりの優勝を遂げたダニー・ウィレット(英)。第一子の誕生にメジャー初勝利、そしてライダーカップ初出場と、2016年は同選手にとって決して忘れられない一年となった。

 一昨季の2015年シーズンには欧州ツアーで2勝、16年2月には同ツアー通算4勝目を飾るなど好調を維持していたウィレットだが、そもそもマスターズはニコール夫人の出産予定日が最終日に当たり、状況次第では欠場も見込まれていた。しかし、男児出産が大会2週前に早まったことでウィレットは同大会に出場。3日目を終えて通算イーブンパーの3打差5位タイと好位置につけた。

 すると、サンデーバックナインで一時は後続に5打差をつけたスピースがまさかの大崩れ。アーメンコーナーで首位から転げ落ちた同選手を尻目に、ウィレットはノーボギーの「67」でオーガスタを回り終え、生まれたばかりの息子と夫人に運命的な勝利を届けたのだ。 96年にはグレッグ・ノーマン(豪)が最終日に6打差を逆転されニック・ファルド(英)が勝利を収めたが、20年ぶりの英国勢の優勝が似た構図となったのは奇妙な偶然だった。

 しかし、そんな前半戦の活躍とは対照的に、以降はイタリアン・オープンでこそ2位に入ったものの、欧州ツアーでのトップ10入りは2回にとどまった(レース・トゥ・ドバイは2位)。ツアー外ではリオデジャネイロ五輪で37位タイと苦戦。初出場のライダーカップでは、ゴルフライターの兄が米国ギャラリーに対する侮辱的な記事を書いたことでブーイングを浴び、敵地の逆風下で1ポイントも獲得できないまま敗れ去る苦い経験も味わった。

 そんな浮き沈みの激しい一年ではあったが、キャリア最大のタイトルを手にした2016年はウィレットのキャリアのハイライトとなるに違いない。メジャー初優勝から苦しい時期の続く選手は多いが、2017年は心機一転、マスターズ王者としてさらなる高みに到達できるだろうか。

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