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“天才少年”T.トライオンがQスクールファイナル進出

2010/11/21 13:12
“天才少年”T.トライオンがQスクールファイナル進出

 

 2001年、ひとりの若者がゴルフ界に旋風を巻き起こした。巷で「タイガー・ウッズ(米)のアマチュア時代を上回る実力」と騒がれた彼こそ、当時16歳のタイ・トライオン(米)だった。

 例えるなら現代のマッテオ・マナッセロ(伊)、はたまた石川遼といったところか。予選突破不可能と言われた16歳で出場したホンダ・クラシックで39位タイ、B.C.オープンで37位タイ。しかもB.C.オープンでは初日に65をマークして並み居る強豪を抑え首位発進という快挙を成し遂げた。その直後にプロ転向。米男子ツアーのクォリファイング・スクール(Qスクール)ファイナルで上位に入り、翌年のフル参戦権を獲得した。

 ところがプロデビューイヤーとなった02年、単核症という奇病に侵され、シーズンを通して予選を突破したのはわずか1試合。公傷制度が適応されたものの、翌03年も出場21試合中決勝ラウンドに進んだのは4試合のみに終わった。プロ入り直後に大きく狂った歯車は、そのまま噛み合うことなく10年近い歳月が流れた。デビュー当初はキャロウェイとターゲットの2社と莫大な契約金を交わしたが、鳴かず飛ばずのトライオンから次第にスポンサーは離れていった。

 しかし、今週末フロリダ州のサザンヒルズ・プランテーションCで行われたQスクールセカンドステージで、トライオンは13位タイに入り12月に開催されるファイナルステージ進出を決めた。来季のシード権を獲得するためにはファイナルで上位に入らなければならず、セカンドステージをクリアしたからといって決して安心はできない。だが、かつて“天才少年”と呼ばれた時代から10年の時を経て、トライオンは大人になった。彼がツアーカードを取得し、再び我々にその勇姿を見せてくれるときは近づいているのかもしれない。

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