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引退表明の宮里藍「これ以上ないゴルフ人生」

2017/05/29 16:15
引退表明の宮里藍「これ以上ないゴルフ人生」
会見で引退を決意した理由などを語った宮里藍。(写真撮影:ISM)

 

 今季限りでの現役引退を表明している宮里藍が29日、都内ホテルで会見を行い、引退を決意した理由などについて語った。

 約300人の報道陣の前に現れた宮里。まずは26日の引退発表から「自分が思っている以上に反響が多くて驚いた。昨年の夏ごろに(引退を)決意した」と話した。その要因としては「モチベーションの維持が難しくなった」ことを挙げ「4、5年前から自分の中でどう消化していけばいいのか手探りの状態だった」と明かした。

 さらに「モチベーションが戻ってこないことには自分とは向き合えないし、トレーニングで追い込むことができなくなっていた。プロである以上は結果は残したいし、自分の理想としている姿はそこにはなかったので、このような形となった」と、引退の決断に至るまでの気持ちを語った。

 モチベーションの維持が難しくなったのは2012年の後半。同年は米ツアーで2勝を挙げ、プロゴルファーとしてのピークを迎えている実感があったと話す。しかし、好調の時期でもかねてより目標としてた全米女子オープンをはじめとするメジャータイトルを獲得することができなかったことが葛藤を生み「次はどうしたらいいのだろうと、立ち止まってしまったことが原因」だったようだ。そして、昨年のリオデジャネイロ五輪開催期間中にツアーが中断となり、3週間のオープンウィーク期間で「自分の気持ちについて考える時間が出来た」ことで、引退を決意した。

 一方で、今季限りと期間を決めたことで現在は「期間限定」ながらもモチベーションが回復。中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンでは最終日に6連続バーディを含む「64」を叩きだし、6位タイでフィニッシュ。「中京では思い描いていたものが出せた。取り組んだことが形になっている」と、調子は上向きだ。

 今後のスケジュールについては未定としながらも「1試合、1試合を丁寧に戦って早く勝ちたい」と約5年ぶりとなる優勝を見据える。さらに「米ツアーに戻って、メジャーは全部出たい」と語り、悲願のメジャートロフィ獲得も「まだあきらめていない」と力強く宣言した。

 また、国内ツアーの出場については「プレーできるチャンスがあれば出たい。(米メジャーの)エビアン選手権まで戦ってみて、後はどうかなと思っている」とし、6月8日開幕の国内ツアーのサントリーレディス(兵庫県・六甲国際GC)が一区切りとなりそうだ。

 国内ツアー15勝(うちアマ1勝)、米ツアー9勝と女子ゴルフ界の先駆者として駆け抜けた14年間を「これ以上ないゴルフ人生」と振り返った宮里。45分間の会見中、終始毅然とした受け答えをしていたが、最後の最後には目に涙を浮かべながら「たくさんの人にサポートしもらえたことが嬉しく、選手として幸せだった。引き際に対しての寂しさは一切なく、感謝の気持ちをもって最後までプレーできることを有難く思っている」と、ファンや関係者に感謝の気持ちを伝えていた。

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