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高画質TVが招いた失格劇に困惑するゴルフ界

2011/01/26 12:22
高画質TVが招いた失格劇に困惑するゴルフ界

 

 メジャー3勝を誇るパドレイ・ハリントン(アイルランド)の失格劇をきっかけに、ゴルフ規則を統括する全米ゴルフ協会(USGA)とロイヤル&エイシェント・ゴルフクラブ(R&A)の2団体が協議を行った。

 前週行われた欧州ツアーのアブダビHSBC選手権第1ラウンド。7番グリーンでのハリントンの行動がテレビ中継の視聴者からのEメールで問題となった。Eメールで指摘されたのは、ハリントンがボールマーカーを拾い上げた際に手が触れてボールがわずかに動いていたこと。これが競技委員による検証で明らかとなり、本来科せられるべき2打罰のペナルティがないままスコアカードを提出していたハリントンはスコア過少申告で失格となってしまったのだ。

 ハリントン自身は「ボールとマーカーを置き換えたとき手に(ボールが)触れた感触はあっが動いたとは思わなかった」と語るように、ボールが動いたことに気がついてはいない。だからそのままプレーを続行して失格となったわけだが、問題は本人も気づかず、さらに一緒にプレーしているキャディや競技委員にすら見えないものが、高画質テレビのスーパースロー映像だけで見えてしまう点だ。

 USGAのシニアディレクターを務めるマイク・デービス氏は「規則を変更しては混乱を招くだけ。そんなことをしたらドミノ倒しのようになってしまう。我々を悩ませているのは、パドレイ(ハリントン)自身は全てのプレーをルールの中で行っていたにもかかわらず、高画質テレビがそうではないことを映し出してしまったことなんだ」と苦渋に満ちた表情でコメント。ハリントンを気遣いながらも規則変更はできないと強調した。

 また、今月初旬に行われた米男子ツアー開幕戦のヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズでも、カミロ・ビジェガス(米)がテレビ視聴者からの指摘でルール違反が発覚し失格とっている。これを受けて同ツアーコミッショナーのティム・フィンチェム氏もUSGA、R&Aと会談しており、科学の発達が引き起こした予想外の事態に規則をつかさどる2つの団体は頭を抱えているというのが現状のようだ。 (STATS-AP)

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