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A.スコット“雨中の決闘”制す! 豪州勢初のチャンピオン誕生

2013/04/15 09:44
A.スコット“雨中の決闘”制す! 豪州勢初のチャンピオン誕生
プレーオフの末に第77回マスターズを制したA.スコット。豪州勢として初のチャンピオンに輝いた。(写真提供:AP/アフロ)

 

 ウイニングパットを沈めた瞬間、アダム・スコット(豪)は両手を天に掲げ感無量の表情を浮かべた。降りしきる雨が頬を濡らす。オーストラリア勢悲願のチャンピオン誕生の瞬間だった。

 ゴルフの“祭典”マスターズは現地時間14日、ジョージア州オーガスタナショナルGCを舞台に最終ラウンドの競技を行い、通算9アンダーで並んだスコットとアンヘル・カブレラ(アルゼンチン)がプレーオフに進出。10番パー4で行われたサドンデス2ホール目で3.5メートルのバーディパットを沈めたスコットが“雨中の決闘”を制し、オーストラリア勢としては大会77回の歴史で初めてグリーンジャケットに袖を通した。

 少年時代、母国のヒーロー、グレッグ・ノーマン(豪)が何度も優勝争いを演じながら獲れなかった悲願のタイトル。「4つのメジャーのうち勝ちたいのはやはりマスターズ。誰もが大好きな大会だからね。オーストラリア勢初のチャンピオンになれたら国中大騒ぎになるだろうね」と語っていたスコット。そして今、正真正銘チャンピオンに輝いた。

 初日から好位置をキープし3日目を終えて首位に1打差の3位タイとメジャー初Vに向け絶好のポジションをゲットしたスコット。最終日はイーブンパーで前半を折り返すと、後半は惜しいパットを再三外しながら13番、15番の2つのパー5できっちりバーディを奪うと、雨脚が強くなった最終18番、6メートルのバーディパットを絶妙のタッチで捩じ込み先に通算9アンダーでホールアウト。優勝を確信したようなド派手なガッツポーズを見せたが、最終組のカブレラが同じホールで2打目をピンそば1メートル弱に寄せるスーパ―ショットでスコットを捉え、決着はプレーオフにもつれ込んだ。

 カブレラにとっては2009年のマスターズでケニー・ペリー(米)、チャド・キャンベル(米)の3人で戦って以来2度目の大一番でのプレーオフ。前回は勝負強さを発揮して優勝をもぎ取ったが、今回はスコットの執念にも似た壮絶なプレーの前に屈し、惜しくも2度目のグリーンジャケットとはならなかった。

 スコット以外のオーストラリア勢も大健闘。2打差の単独3位にジェイソン・デイ(豪)が入り、通算5アンダー4位タイにタイガー・ウッズ(米)とともにマーク・リーシュマン(豪)が食い込んだ。

 前日カブレラと共にに首位に立っていたブラント・スネデカー(米)はスコアを3つ落とし通算4アンダー6位タイで終戦。世界ランキングNo.2のローリー・マキロイ(北アイルランド)は4日目にして初の60台(3アンダー69)をマーク、通算2オーバーでルーク・ドナルド(英)らと並び25位タイ。米男子ツアー最年長V記録(52歳10か月8日)更新が期待されたフレッド・カプルス(米)は通算1アンダー13位タイ。大会史上最年少出場の14歳グアン・ティンラン(中)は通算12オーバー58位タイに終わったが、ローアマのタイトルを手中に収めている。

 また、石川遼が最終日にして大会自己ベストの『68』をマークし、通算4オーバー38位タイまで順位を上げた。尚、藤田寛之は予選落ちに終わっている。

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