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全英オープンに別れを告げた2人のレジェンド

2015/07/18 13:43
全英オープンに別れを告げた2人のレジェンド
全英オープンに別れを告げたT.ワトソン。(写真提供:Getty Images)

 

 スコットランドのセントアンドリュース オールドCで開催されている第144回 全英オープンは、現地時間17日に行われた第2ラウンドが日没によりサスペンデッドに。そして、2人のレジェンドが全英オープンに別れを告げた。

 1975年の初出場初優勝をはじめ、38回の出場で5回クラレット・ジャグを掲げたトム・ワトソン(米)。この日のティーオフ前には、同じく今年で最後の全英オープンを迎えた名物スターターのアイバー・ロブソン氏と談笑。当初は荒天による3時間以上の中断により17日中のホールアウトが危ぶまれていたが、同組のアーニー・エルス(南ア)がトーナメントオフィシャルに「誰も明日の早朝に戻って来ることは望まない。ここで彼を送り出そう」と提案し、ギリギリまでプレーを延長。そして、最終ホールのパットを沈めた時には時計の針は午後9時54分を指していた。

 それでも、偉大なチャンピオンを最後まで見守ったギャラリーは惜しみない拍手を送り続けた。最後のラウンドは8オーバー80と振るわなかったものの、恒例行事の18番にあるスウィルカン・ブリッジで記念撮影を終えるとワトソンは「もう1打、このコースで打ちたいね」と笑顔でコメント。さらに「悲しみを感じる理由はない。ここは特別な場所だ」と、最後の全英オープンをゴルフの聖地で迎えられたことに感謝した。

 そして、ニック・ファルド(英)も過去に3度制した今大会から引退を果たした。初日は11オーバー83と大きく崩れたが、この日は3バーディ、2ボギーの1アンダー71と見事にアンダーパーでラウンド。特に難関17番でバーディを奪うと、ギャラリーは大歓声。これには本人も「18番でどんなことが起ころうとも関係なかった。17番を3打で上がれたからね。信じられないよ!」と大興奮の様子だった。

 1987年の初めてクラレット・ジャグを掲げていた時に着ていた黄色のカシミアセーターを身にまとい、キャディを務めた息子のマシューと共にスウィルカン・ブリッジで記念撮影を行ったファルド。ティーオフ前には開幕直前に負傷した右手中指の傷が再び開いたため、棄権の可能性もあったようだが「今週はゴルフのための1週間だった。そして目標は橋に立って、写真を撮ることだった」とホールアウトしたことに喜びを表した。

 偉大なチャンピオンが去ったゴルフの聖地。果たして、週末に新たな歴史の1ページを刻み始めるのは誰になるのだろうか。

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