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韓国の“鬼”金庚泰が日本オープン制覇! 遼は8位タイに沈む

2010/10/17 17:54
韓国の“鬼”金庚泰が日本オープン制覇! 遼は8位タイに沈む
国内男子ツアーの今季公式戦第3戦、日本オープンゴルフ選手権。韓国の金庚泰が最終日に驚異のコースレコード『64』をたたき出し、逆転Vで国内メジャー初制覇を成し遂げた。 (写真撮影:ISM)

 

 韓国出身の24歳、金庚泰(キム・キョンテ)が壮絶な優勝争い制して“日本一”のタイトルを手中に収めた。

 国内男子ツアーの今季公式戦第3戦、日本オープンゴルフ選手権は17日、愛知県の愛知カンツリー倶楽部を舞台に最終ラウンドの競技を行い、トップと4打差5位からスタートした金庚泰がコースレコードを塗り替える7アンダー64をマーク。通算13アンダーまでスコアを伸ばし、逆転Vで国内メジャー初優勝と日本オープン制覇を達成した。首位スタートの藤田寛之が2打差の2位。通算10アンダー3位タイに武藤俊憲、ハン・リー(米)、さらに18歳のアマチュア松山英樹(東北福祉大)が入っている。

 過去に日本アマチュアゴルフ選手権で連覇を果たすなど、プロ転向前から“鬼”と異名を取るほどの強さを誇っていた金庚泰。そんな韓国の若武者が日本最高峰の舞台で圧倒的な逆転劇を見せつけた。まず1番スタートホールで10メートルのロングパットを沈めバーディ発進。2番パー4では2打目をピンそば2メートルに寄せ連続バーディを奪う。さらに5番、6番を再び連続バーディとして前半だけでスコアを4つ伸ばす。ハーフターン直後の10番でこの日5つ目のバーディをマークして通算11アンダー。この時点で、首位タイに立っていた最終組の藤田と武藤に並ぶ。

 金庚泰の勢いは止まらない。13番で7メートルのバーディパットを沈め単独トップに躍り出ると、319ヤードの15番パー4では1オン成功からバーディ奪取でリードを広げる。そこから、同じ13番でバーディを奪った武藤に1打差まで迫られる中、疲れも見え始めた“鬼キョンテ”が真骨頂を発揮する。難関ホールの16番、17番を苦しみながらもパープレーで凌ぎ、迎えた最終18番パー4。ティーショットが深いラフにつかまり2打目もピンに寄らず、2メートル弱のパーパットが残る。しかし、外せば武藤に並ばれるこのパットをなんとかねじ込み、7バーディ、ノーボギーと圧巻のラウンドで通算13アンダー単独トップのままホールアウトした。その後、通算12アンダーで最終18番を迎えた武藤がまさかのダブルボギーに終わり、金庚泰の優勝が決定。今年5月のダイヤモンドカップゴルフに続くシーズン2勝目で、今季獲得賞金も1億円を突破し賞金ランクトップに浮上した。

 一方、19歳1か月での日本オープン最年少優勝を狙っていた石川遼は通算3アンダー8位タイで終戦。トップと5打差の6位からスタートした最終日は、出だしの1番パー4で3打目のアプローチがピンをはるかにオーバーする“大ホームラン”でボギー発進。その後もティーショットが安定せず3番、4番で連続ボギーを叩く。続く5番パー5で初バーディを奪ったものの、7番パー3で前半4つ目のボギー。この時点で首位グループとは9打差と大きく離され、優勝争いから脱落してしまった。それでも最終ラウンドを同組で回った金庚泰に最終18番ホールで声をかける場面も。これには「石川選手が『キョンテ、もう一息だから頑張れ』と言ってくれて力になった」(金庚泰・談)。

 なお、今大会で3位タイに食い込んだ18歳アマの松山は、1971年大会に高橋信雄が記録した通算5アンダー、291というアマチュア最少スコアを大きく更新する通算10アンダー、274をマーク。先週行われたアジア・アマチュア選手権で優勝し、日本人アマとして初めてマスターズ出場権を手にした新星が、今週の日本オープンでもまさに台風の目となった。

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