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選手と全米ゴルフ協会の関係はどうなる? トーマスの投稿が物議

2019/03/05 15:08
選手と全米ゴルフ協会の関係はどうなる? トーマスの投稿が物議
ジャスティン・トーマスの投稿が物議をかもしている

 

 今年から適用された新ルールを巡り、PGAツアーの選手たちと全米ゴルフ協会(USGA)の関係があまり良くない方向に進んでいる。変更となった以上、ルールは守り、破ればペナルティを受ける。しかし、曖昧なのも確かだ。

 まず物議を醸したのがデニー・マッカーシーの件。リッキー・ファウラーが優勝したフェニックス・オープン2日目にマッカーシーが規則10.2b(4)「プレーヤーのキャディーが後方に立つことの制限」に抵触するとみなされ2打罰を科せられた。

 2018年までは選手がアドレスをし、ターゲットに対して正しく構えられているかキャディが後方から確認することは許可されていた。しかし、今年からはその「援助」が認められなくなった。

 問題が起きたのは15番パー5の第4打目。マッカーシーがスタンスを取って素振りをしていた時、キャディはルールでいう「プレーの線の球の後方延長線上」にいたのだが、すぐにその場を離れた。その後、マッカーシーはアドレスを一度解いてから再びアドレスに入りショットを放ったが、その直前のキャディの行動がペナルティとなると言われ2打罰をくらい、このホールをダボとした。

 この判断に選手たちが「キャディは故意でやったわけじゃない」などとSNS上に投稿。ジャスティン・トーマスに至っては「これが違反なんてショックだし、馬鹿げている。USGAはこのルールをすぐに変更する必要がある。このルールは競技にとってプラスじゃない」とツイッターでつぶやいた。

 結局、ルールを統括するUSGAとR&Aは翌日(フェニックス・オープン3日目)、「この場合は違反としない」と発表し、マッカーシーの15番のスコアはパーとなった。アドレス時、キャディが選手の後方にいたとしても一回アドレスを解けば大丈夫と、”ルール変更の変更”がなされたのだ。

 先週のザ・ホンダ・クラシックではアダム・シェンクがバンカーでアドレスをした時にキャディが後ろにいたと判断されペナルティを受けた。ハイライツを見る限り、明らかにという感じではなかったが…。

 ほかにも今年からドロップは肩の高さからではなく、膝の高さからしなくてはならず、ファウラーはWGC-メキシコ選手権で思わず肩からドロップしてしまい1打罰を科せらた。同選手は「膝からのドロップは格好悪い」とルールを理解しつつもどこか納得がいかないところもあるようだ。

 で、トーマスの最近のつぶやきが物議を醸している。

「USGA(全米ゴルフ協会)はゴルフを、スポーツを良くするために選手たちとコミュニケーションを取り始めるべき。変更によって全選手が利益を得られることを願う」

 自分の意見を積極的に発言するトーマスだが、このツイートに返信したのがUSGAだった。

「ジャスティン、我々は話し合う必要がある。あなたは今まで計画していた全てのミーティングをキャンセルしている。連絡を下さい」

 協会を怒らせたかは分からないが異例のこと。米ゴルフチャンネルの記事にはトーマス、ジム・フューリック、ザック・ジョンソンのコメントが掲載されている。

「本当に傷つくし、イライラする。僕がミーティングをキャンセルする事に関してUSGAが投稿したことは正しくない。僕が悪者みたい(トーマス)」

「PGAツアーは決してあんなツイートはしない。なぜ(USGAが)投稿したのか、(その投稿は)正しかったのか、悪かったのかはおいといて、もっと良い対応の仕方があったと思う(フューリック)」

「トーマスを褒める。彼の言ったことは全て正しいと思う。USGAはトーマスを批判した(ジョンソン)」

 トーマスは直接協会に言うことも出来ると思うが、影響力のあるSNS上、特にトーマスは多くのフォロワーがいるので、ツイッターを選び自分の思いを投稿したのだろう。

 去年の全米オープンのコースセッティングが厳しすぎてUSGAを批判していた選手もいたりと、プロとUSGAの間で問題が起こるのはちょくちょくある事だが、スロープレーなども含めゴルフ発展のために良い方向へ進んでもらいたい。

(写真:Getty Images)

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