ゴルフアプローチの攻略法|基本からベタピンの極意まで徹底解説
ゴルフのスコアアップにはアプローチの技術が欠かせません。ドライバーショットも重要ですが、アプローチの重要性もまた、ドライバーに勝るとも劣らない重要なものです。
一方で、ドライバーに関しては重要性を理解している人はもちろん、練習環境も多いですが、アプローチは状況次第で様々なショットになることから、練習が難しい点があるのも事実です。
この記事ではそんなアプローチについて、打ち方や練習方法を解説、紹介します。
ナイスアプローチをするためには4つのポイントがあります。
・クラブ選び
・スタンスとグリップ
・ショットの打ち方
・ピンへの狙い方
適切なクラブ選び、正しいスタンスとグリップをすることなど、これらの基本をマスターすることが大切です。それぞれについて、詳しく解説していきましょう。
アプローチ用のクラブはピッチングウェッジ、サンドウェッジ、ロブウェッジ、アイアンなど多々あります。残りの距離、描きたい軌道でクラブを選びましょう。
・サンドウェッジ(SW):グリーン周りで高い弾道のショットを打つのに適しています。
・アプローチウェッジ(AW):SWとピッチングウェッジの中間に位置しているクラブで中距離のアプローチに向いています。
・ピッチングウェッジ(PW):比較的に距離が出やすいことから標準的なアプローチに使われています。
・ショートアイアン(8番、9番):距離を必要とするアプローチや転がすショットに向いています。
・ミドルアイアン(6番、7番):遠距離からのアプローチや低い弾道で転がすショットで使用します。
アプローチでは、両足の間にこぶしが1つ入る程度を目安に狭く構えます。ボールはスタンスの真ん中からやや右側、グリップはやや短めに持つことで、ボールとの距離が近くなり打ちやすくなります。
スイング中は体重移動をせず、体重は左足に60~80%かけた状態で打ちます。その際、左足にどれだけ体重をかけるのかがポイントとなるので様々な形を試し、自分にマッチした方法を見つけましょう。
アプローチショットは力よりもテクニックと正確性が重要です。
スタンスを狭くし体重を左足にかけ、ハンドファーストの姿勢で構え、ボールはスタンスの中央かやや右に置いて小さなスイングで打ちます。
ここでポイントとなるのが腰です。腕と体を一体化させ、体の回転でスイングします。腕ではなく腰の回転で、ボールに対して打ち込むようなイメージで、距離感はスイングの大きさで調整します。
ボールを低く打ち出したい場合は、さらに左足に体重をかけます。体が回転しにくいと感じる場合はオープンスタンスで構えて、フォロースルーさせることで体を回転させやすくなります。
ピンの手前を狙う場合、グリーンの傾斜によって着弾したボールの転がり方が異なる点も踏まえて弾道をイメージします。
一方、ピンを直接狙う場合、高い球かスピンを効かせて狙うとよいでしょう。
とにかくポイントになるのはイメージです。その日の状況をインプットし弾道をイメージしましょう。
例えば他のゴルファーの打球、弾道を見て風の状態を確認するなどイメージを描くための情報を収集することも大切です。
情報を整理して、弾道をイメージした後にイメージの弾道を打つためのショットをするだけです。
アプローチの打ち方にはいくつかの種類がありますが、ここではロブショットの打ち方を解説します。
ロブショットは主に下記の状況で採用する打ち方です。
・障害物を越える必要がある時
・グリーンエッジからピンまでの距離が短い時
・グリーンの傾斜が下がっている時
このように、使うシチュエーションの多い打ち方なので、マスターすることでスコアアップに繋がります。
ロブショットではロフト角が54度以上のサンドウェッジの使用が一般的で、特に多いのが58度、60度です。
60度以上のロブウェッジを使用するツアープロもいますが、ツアープロは高いテクニックを持っているからこそなので、一般的なゴルファーは58~60度のロブウェッジの使用をおすすめします。
スタンスはオープンでボールは左足かかと、またはそれよりも左にセットします。ボールを高く上げるために、クラブのフェースを開いて構えると、クラブのロフト角がさらに大きくなります。
フェースを開いた分、体を左に向けてスタンスをオープンにするよう心がけましょう。これにより、高い球を打つための準備が整います。
オープンの角度は個人差が出る部分なので「オープン気味」という点を踏まえ、自身がしっくりするスタンスを模索します。
フェースの向きを変えずに、大きくゆっくりと一定のリズムで思い切って振り抜きます。ボールの下をすくうようなイメージでスイングが理想ですが、躊躇するとミスのリスクが高まります。
ポイントとなるのは遠心力です。力を込めて、筋力で飛ばすのではなく遠心力とリズムで高く飛ばすイメージを持つとボールが上がりやすいです。
一方、筋力で飛ばそうとすると力が入りすぎて速く、低い弾道になりやすいです。
ピッチ&ランは、ポップアップだけでアプローチを狙うのではなく、ボールを少し上げ、地面に当たった後に転がして近づける打ち方です。
使用するシチュエーションとしては下記が挙げられます。
・グリーンまでの距離が中途半端な時
・グリーンの状態が良好な時
・風が強い時
・障害物がない時
習得することで、上記のシチュエーションで役立ちます。ここでは使用するクラブやスタンス・ボールの位置、さらにはスイングまで解説します。
サンドウェッジから8番、9番などのショートアイアンが選ばれる傾向にあります。
ピンまでの距離やグリーン周りの状況に応じてクラブを選びますが、一般的にロフトが立っているショートアイアンの方が向いています。
肩幅よりも少し狭いスタンスを取ります。
ボールはスタンスの中心よりもわずかに目標方向にセットすることで球が低く出ます。
ピッチ&ランの肝は球を低く出すことで、バウンドしても球の勢いが消えない力のあるショットを打つ点にあります。
高く上がってしまうと、バウンドした際に球の勢いが下にかかりすぎてしまい、ボールが転がらないので、バウンドした際にも球の勢いが完全に消えないよう、低い力強い弾道を打つためのスタンスで準備しましょう。
小さなスイングではあっても手先ではなく体を使ってスイングするために、体重は左足に多めにかけインパクトの時には左足体重で打ちます。
バックスイングは最大でも腰の高さまで、フェースは自然に開閉するよう心がけましょう。
大切なポイントは、低い弾道を意識する点です。高く上げてしまうとボールが落下する力が強まってしまい、ランの距離が短くなってしまいます。
ただし、あまりにも力強いスイングをするとランが伸びてしまうので、体全体で力加減を調整し、イメージ通りにランさせるようスイングしましょう。
ボールを上げるのではなく、最初から転がすことを目的にしたランニングは、主に下記のシチュエーションで活用します。
・グリーンまでの距離が長い時
・障害物がない時
・グリーンが硬い時
・風が強い時
距離感がつかみやすくミスショットにも強い打ち方なので、習得することで様々なシチュエーションで活用しスコアアップにつなげることができます。
ここではランニングで使用するクラブやスタンス・ボール位置、スイングについて解説していきます。
比較的ロフトが立っているピッチングウェッジや7~9番アイアンはボールが低く出て転がりやすいためおすすめです。
キャリーとランの比率が1:4となるのが理想的な点もポイントで、先に挙げたクラブでパターのように打つとイメージ通りの軌道を描きます。
ボールはスタンスのセンターよりも右足寄りにセットします。
クラブを短く持ち、スタンス幅を狭くすることで手元と体の位置が近づき、振り抜きやすくなります。
また、ハンドファーストに構えることで安定したボールの高さとスピン量が得られます。
振り子の原理で、バックスイングからフォローまで、一定のスイングでボールを押し出すイメージで打ちます。
小さく振ることと、転がす意識と方向性が重要で、大きく振ってしまうと着弾してからのランが大きなものになってしまいます。
この点は戦略次第ですが、ランの距離とスイングの大きさを合わせられれば、更なるスコアアップを目指せます。
そのため、慣れていない時は小さく振りランが出過ぎないよう気を付けましょう。慣れてきたら、スイングの大きさとランの距離を合わせた戦略が実現します。
アプローチは、理屈で理解することも大切ではありますが、やはり体で覚えてこそ。ここではアプローチ上達のための練習方法を下記の5つに分類して紹介します。
・落とし場所を決めて打つ練習
・ピッチエンドランを基準にする練習
・アプローチの距離感を調整する練習
・左手打ちの練習
・ヘッドカバーを使った練習
どれか一つだけの練習をこなすのではなく、すべてをこなすことで、アプローチのスキルアップが実現します。それぞれの練習方法について、より詳しくみてみることにしましょう。
ボールがグリーンに乗った後に、転がってピンに近づくような落とし場所を練習場でイメージして打つ練習方法として、まずは落とし場所を決めます。
まずはボールを「落とす」の練習で、バウンド後のことは考えずに落とす練習を繰り返しましょう。
同じふり幅でもウェッジの種類でキャリーが変わるため、いろいろと試してみましょう。理屈ではなくフィーリングで覚えることが大切です。
アプローチの中でもピッチ&ランが最も使用頻度の高い打ち方となるため、ピッチ&ランの練習から行いましょう。
キャリーとランのバランスを理解し、ボールの位置を調整して理想的なショットを打てるよう練習します。
ポイントとなるのはランです。ボールの「落ちてから」の練習は反復練習で感覚を掴む以外にありません。
どれだけの力を込めるとどれだけランをするのか、こまめにメモを取るなどして感覚を掴みましょう。
自分のフルショットの距離を把握し、それを基にアプローチの距離感をフルショットから引き算式で覚える練習です。
10ヤード、20ヤード、30ヤードなど引き算の答えを元に、異なる距離からのアプローチ練習を徹底して行うことで、力加減と距離感を把握しましょう。
本番で起こり得ないような距離感の練習をするのではなく、本番で遭遇するであろう場面での練習が大切です。
手首の使い方を覚えるために、左手だけでボールを打ちます。左手だけでしっかりとコンタクトができるようになると、両手で握った時には簡単に感じます。
こちらは自宅でもできる簡単な練習法であり、かつスイングの軌道を安定させるために有益です。特に素振り程度であれば自宅でも行えるので、空き時間などに左手だけで素振りしてみましょう。
ヘッドカバーを両腕に挟んだままスイングしてみましょう。これにより、体の回転で打つ感覚を掴むことができます。
ゴルフのスイングは腕力だけではなく腕と体全体の力を連動させることが大切です。そのための練習方法がこちらです。
ヘッドカバーだけではなく、例えばゴルフクラブを地面と平行にして両手を脇の位置に構えて持つ際、背中側にクラブを持っていきましょう。
手が使えない状態ですが、腰を回すことができるので体の回転の練習となります。この動きに手を加えることで、全身で遠心力を生んだスイングを習得できます。
ゴルフのアプローチの種類や練習方法を紹介しました。アプローチはプレーの中で必ず打たなければならないシチュエーションが訪れます。その点ではドライバーショットと同じです。
しかし、ドライバーショットのように毎回同じシチュエーションではなく、その都度異なるシチュエーションで打つことになるため、練習も難しいです。
そこで、打ち方の種類・練習方法を覚えることで、様々なシチュエーションに対応できるようになります。
スコアが伸び悩んでいるゴルファーこそ、アプローチの練習に力を入れてみましょう。
(写真:Getty Images)