B.ハースが思い出の地で首位発進! 連覇を狙うR.マキロイは出遅れ
ビル・ハース(米)がトーナメントレコードタイの8アンダー64をマークして、米男子ツアー、ウェルズファーゴ選手権の第1ラウンド(現地時間5日/ノースカロライナ州、クエールハローC)で単独首位に立った。現在、米チャンピオンズツアーで活躍する父、ジェイ・ハースに連れられて、ハースは子供の頃から数え切れないほどこのコースでプレーしてきた。父が試合に出ない時は父や兄のジェイ・ハースJr.とともに車で約1時間半かけて訪れた。まさにホームコースと呼べるのがここクエールハローCなのだ。
米ツアーで未勝利だった頃には、まだレギュラーツアーでもプレーしていた父や兄、おじのジェリー・ハースと揃って大会に出場したこともある。「本当に楽しかった。また出来たら本当に楽しいのに」と振り返るが、現在ここで戦えるのはビルただ一人という厳しい現実がある。
だが、今年はツアー2勝の実績を引っさげて戻ってきた。それを証明するように見事な首位発進。カギを握るパッティングの好調さをこのまま維持して、思い出の場所でツアー3勝目を飾りたいところだ。
首位のハースに2打差の2位タイでデビッド・トムズ(米)、ジョナサン・バード(米)の2人がピタリと追走。さらに1打差の4位タイに2009年全米オープン王者、ルーカス・グローバー(米)、パット・ペレス(米)が続いている。
また、かつての世界ランクNo.1のビジェイ・シン(フィジー)や初優勝が待たれるリッキー・ファウラー(米)ら5人が、4アンダー68をマークして6位タイにつけており、2日目以降も気の抜けない戦いが続く。
日本勢で唯一出場の今田竜二も3アンダー69で回り、フィル・ミケルソン(米)、パドレイ・ハリントン(アイルランド)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)らとともに11位タイと好発進。不調からの脱出を狙っている。
世界ランクNo.1の座を取り戻すべく3週ぶりの実戦に挑むマーティン・カイマー(独)は、2アンダー70で22位タイとまずまずのスタートを切った。
大会連覇を狙うローリー・マキロイ(北アイルランド)は、3オーバー75で107位タイと大きく出遅れた。「今日はショットが全然よくなかった」と渋い表情を見せる。10番からスタートして7ホール目の16番では、ティーショットを右に曲げてバンカーに捕まってしまう。第2打も右の林の中へ。グリーンまでは60ヤード、バンカー越えの第3打は決断までに長い時間がかかる難しいショットとなった。「前の木が気になった。どうすべきかわからなかった」と振り返るショットは、低く出したアプローチ。バンカーをギリギリで越えてグリーンには乗ったが、パーパットが入らずボギー。それでもティーショットをミスした割には何とか切り抜けた格好だ。
このように苦労しながらの第1ラウンドだったが、マスターズ最終日の後半で自滅した後も立ち直った男だけに、表情は決して暗くない。早く勝利を手にすれば、完全にマスターズ逆転負けの悪夢を払拭できることは誰よりも本人がわかっている。その日に向かってマキロイは戦い続ける。