世界ランク上位陣が揃って勝利 世界マッチプレー選手権
世界ランクNo.1の座を争う男たちが順当に勝利を収めた。
世界ランクトップ6のうちの5人を含む24人がユニークな試合形式で激突する欧州ツアー、スペイン3連戦最終戦、ボルボ世界マッチプレー選手権の初日(現地時間19日/フィンカ・コルテシン)は、8つの対戦が行われたが、現在の世界ランクNo.1、リー・ウェストウッド(英)を筆頭にランク上位陣が実力を発揮した。アンダース・ハンセン(デンマーク)と戦ったウェストウッドが6アンド5で圧勝したのを始め、同2位のルーク・ドナルド(英)はライアン・ムーア(米)相手に4アンド3、同3位のマーティン・カイマー(独)はY・E・ヤン(韓)に2アンド1でそれぞれ勝利した。
今大会で優勝すれば、ウェストウッドが王座を守れるのは当然ながら、ドナルド、カイマーにもNo.1となるチャンスがある。それだけにお互い、一歩も譲れない戦いが続く。
試合は、通常のマッチプレーのように最初から勝ち抜き戦ではない。24人が8つのグループに分かれ、最初の2日間でグループ内の3人が“総当り”。勝者には2ポイント、引き分けなら1ポイントずつを獲得し、3試合を終えた時点で各グループから1人ずつが脱落する。
大会3日目には、勝ち残った16人が激突。さらに準々決勝も行われ、残った4人だけが最終日に進んで、準決勝、決勝が続けて行われる。
自身初の王座を狙うドナルドは「リー(・ウェストウッド)とプレーしたい。世界No.1の選手に勝つ以上の満足はないからね」と、勝ち進んでの直接対決に意欲を燃やす。ドナルドは、2月のWGC-アクセンチュア・マッチプレー選手権決勝でカイマーと対戦している。このとき、カイマーは世界ランクNo.2だったが、勝ち進んだことで大会終了後にNo.1となることがわかっていただけに、カイマーを撃破して優勝したことで最高の気分を一度味わっている。それだけに、再びあの高揚感を得つつ、自らが王座につくための最高の形が今大会優勝とあって、ものすごい集中力で大会に挑んでいる。
一方、王座を死守したいウェストウッドも、出場2大会で連続優勝した後とあって好調さを維持。出だしの1番こそボギーとしたものの、4番から11番までに6つのバーディを奪い、13番終了時に勝利を手にした。それでも欧州ツアー賞金王に輝いたこともあるウェストウッドだが、大スランプも経験しているだけに「ゴルフの(調子の)アップダウンはイヤと言うほど味わっているからね。いつも同じように練習しなくちゃだめなんだ」とクールなものだ。先週は“準メジャー”と呼ばれる米ツアー、ザ・プレーヤーズ選手権を欠場し、気分を一新して臨んだ今大会。世界ランクNo.1のプライドをかけてライバルたちの挑戦を受けて立つつもりだ。
なお、他の対戦は、グラエム・マクドウェル(北アイルランド)が、ルイス・ウーストハウゼン(南ア)を3アンド1、ローリー・マキロイ(北アイルランド)が、レティーフ・グーセン(南ア)を1アップ、アルバロ・キロス(スペイン)が、ポール・ケイシー(英)を3アンド1、ミゲール・A・ヒメネス(スペイン)が、チャール・シュワーツェル(南ア)を6アンド5で撃破。フランセスコ・モリナリ(伊)とイアン・ポルター(英)の対戦は18ホールで決着がつかず、引き分けとなった。