M.クーチャー逆転V 石川60台並べ18位タイフィニッシュ
初日124位タイと大きく出遅れた石川遼が、2日目以降尻上がりに調子を上げトップ20入りを果たした。
米男子ツアーのRBCヘリテイジは現地時間20日、サウスカロライナ州のハーバータウンGLを舞台に最終ラウンドの競技を終了。この日22位タイからスタートした石川は、4バーディ、2ボギーの2アンダー69にスコアをまとめ、通算3アンダー18位タイで4日間の競技を終えた。
狭いフェアウェイ、強い風。ショットの精度が試されるツアー屈指の難コンディションの中、石川は前半ボギーを先行させながら5、6メートルのバーディパットを粘り強く沈め3日間連続で60台をマーク。惜しむらくは難しい上がり2ホール(17番&18番)でバーディチャンスにつけながらチャンスをものにすることが出来なかったことだ。
「17か18番、どちらかは入れたかったんですが……。18番は特に難しいホールで(バーディ)チャンスにつけたのでもったいなかった」と好プレーにも納得のいかない様子だった石川。それでも「ようやく5、6メートルくらいのパットのラインが読めるようになったところで終わってしまった。でも、2日目の時点では予選を通るのが難しいと思っていたので、ここまで上がってこれたのは来週につながる」と前向きに気持ちを切り替えた。
これでフェデックスカップのポイントランキングも30位から26位に上がり自力での第5のメジャー(まだ出場権を確定させていないザ・プレーヤーズ選手権=5月8〜11日/フロリダ州TPCソーグラス)出場の可能性も出てきた。上位争いをしながら最終日に『80』を叩いて48位タイに終わった昨季大会とは別人。たくましくなった石川の今後に注目だ。
そして優勝争いは劇的な展開に。ここ5大会で4度のトップ3入りと同大会抜群の相性を誇るルーク・ドナルド(英)が単独トップからスタートしたが、そのドナルドをここ3試合連続トップ10入り中のマット・クーチャー(米)が前半6バーディを奪う猛攻で追い上げ逆転。
17番で2メートル弱から3パットのボギーを叩いた時点ではドナルドに並ばれたが、最終18番でグリーン手前のバンカーから見事なチップインバーディを決めクーチャーが通算11アンダー(最終日は7アンダー64)で、終盤スコアを伸ばせなかったドナルドを1打差で下しツアー通算7勝目を挙げた。
「良い終わり方をしたいと思っていたけれど、まさか(バンカーからチップインバーディを奪う)あれほど良い結末が待っているとは思っていなかった」と手放しで逆転Vを喜んだクーチャー。ここ3試合連続で優勝争いに加わりながら僅差で勝てなかった悔しさを一気晴らした格好だ。
一方のドナルドはあと一歩及ばず単独2位に甘んじた。ちなみに同大会でドナルドの2位(タイ含む)は3度目。「クーチャーが良いプレーをしたから追いつけなかった」と元世界No.1はサバサバとした表情で最終日を振り返った。ここ2年勝星から見放されているが「スイング改造の成果を感じている」というドナルドの2年ぶり勝利は遠くなさそうだ。
その他、通算9アンダー3位タイにジョン・ハー(米)とベン・マーティン(米)が入り、前日34位タイに低迷していた注目の20歳ジョーダン・スピース(米)はこの日4つスコアを伸ばし、通算4アンダー12位タイに食い込んだ。
尚、松山英樹は予選で姿を消している。