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連覇に自信のA.スコット、対抗馬にR.マキロイ

2014/04/10 12:38
連覇に自信のA.スコット、対抗馬にR.マキロイ

 

 アダム・スコット(豪)がマスターズ連覇に意欲を燃やしている。

 ゴルフの祭典 マスターズは現地時間10日、ジョージア州のオーガスタナショナルGCを舞台に開幕。大本命タイガー・ウッズ(米)の欠場により、戦いの行方は混とんとしているが、もちろんディフェンディング・チャンピオンのスコットは優勝候補の上位にいる。

 2011年大会で最終日に一時トップに立ったスコットだったが、チャール・シュワーツェル(南ア)の猛攻に屈し2位タイ。2012年には最終ラウンドで「66」をマークして8位タイに入り、コースに対する自信を深め、2013年大会を迎えた。その昨季大会では首位に1打差で最終日に臨み、アンヘル・カブレラ(アルゼンチン)とのプレーオフ2ホール目で3.5メートルのバーディパットをねじこんで、初のメジャータイトルを手にした。グレッグ・ノーマン(豪)がどうしても果たせなかったマスターズ制覇を、初めて母国にもたらし、ヒーローとなったスコットにとって、再び戻ってきたオーガスタの地は良いイメージに満ち溢れていた。

 マスターズウイーク前の非公式練習ラウンドを2回、父親のフィル・スコットさんと行い、プレーオフの舞台となった18番、10番で同じラインのパットを打ってみた。チャンピオンだけに与えられるロッカーを大会3勝のゲーリー・プレーヤー(南ア)とシェア。自ら献立を決めたチャンピオンズディナーを楽しんだ。

「いい材料はたくさんある。本当に楽しみにしているけど、(連覇できなければ)持ってきたグリーンジャケットを置いて帰らなくてはならないのもわかっている。連覇してジャケットをキープできるようにトライするよ」と、自信満々に語ったスコット。長い歴史の中で連覇を達成したはジャック・ニクラウス(米/1965、66年)、ニック・ファルド(英/1989、90年)、そしてタイガー(2001、02年)の3人しかいない。

 今年はまだ優勝がないスコットだが、それはメジャー大会にピークを持ってきつつ、休養も取って試合数が少ないから。タイガーの元キャディでメジャー13勝をサポートし、今はスコットのバッグを担ぐスティーブ・ウィリアムス氏も「メジャーで優勝した選手は、それによって大きな自信を身につけるのは間違いない。アダムの場合は特に人生最大の2つのパットを沈めるあんな勝ち方をしたんだから、特にそうだ」と、その強さに太鼓判を押している。

 予選ラウンドは、昨季の全米プロゴルフ選手権覇者ジェイソン・ダフナー(米)、全米アマチュアゴルフ選手権チャンピオンのマシュー・フィッツパトリック(英)とともにプレー。初日は午前10時41分(現地時間)にパトロンたちの喝采の中に飛び出していき、再びグリーンジャケットを手にするために戦う。

 スコットの対抗馬に名乗りを上げているのは、ローリー・マキロイ(北アイルランド)だ。2011年大会では、初日から3日間首位を快走し、最終日も前半を終えて単独トップと優勝に向かってプレーしていたマキロイだが、10番のティーショットを左に曲げたところから悪夢がスタートした。木に当たって隣接するキャビン(家)との間に転がったボールをようやく出したものの、このホールでトリプルボギーを叩き、続く11番でボギー、12番ではダブルボギーを喫した。結局、この日は8オーバー80の大叩きを演じて15位タイに終わった。

 だが、その約2か月後の全米オープンでメジャー初優勝をつかみ取り、翌年全米プロも制して一度は世界ランクNo.1の座についた男は、苦い思い出をも糧に変えようとしている。「2011年を思い出して落ち込むことはない。あれは僕のキャリアにとても大切な1日だった。たくさんのことを学んだ。特にプレッシャーの下で何をしてはいけないかを」と語り、しっかりとこれを乗り越えていることをアピール。今度こそオーガスタナショナルにリベンジしてメジャー3勝目を手に入れることを誓っている。

 そのほか、大会4勝目を狙うフィル・ミケルソン(米)、大会初制覇に意欲を燃やすアーニー・エルス(南ア)や、優勝争いの常連、ジェイソン・デイ(豪)、マキロイと同じ組のジョーダン・スピース(米)、パトリック・リード(米)の若手ら、誰が勝ってもおかしくない今年のマスターズ。日本勢は、松山英樹がただ一人出場し、日本人男子初の4大メジャータイトルを狙うが、戦いの行方はフタを開けてみるまで全く分からない。

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