石川無念「ボロボロになってしまった…」
2度目の挑戦もオーガスタの女神は石川遼に試練を与え、悲願の予選突破はならなかった。
現地時間9日に行なわれた今季メジャー初戦、第74回 マスターズ(ジョージア州オーガスタ、オーガスタナショナルGC)第2ラウンド。初日イーブンパー72とまずまずのスタートを切った石川は、昨年予選落ちの雪辱を期しティーグランドに上がっていた。ところが出だしの1番で短いパーパットを外してボギー発進。続く2番ではバーディパットがカップをかすめ、惜しくもバーディならず。その後も我慢のゴルフを続け、ショットを大きく曲げた6番パー3では6〜7メートルのパーパットをねじ込む勝負強さを発揮した。さらに8番でこの日初のバーディを奪って、スコアを振り出し(イーブンパー)に戻す。
しかし後半に入ると、10番でパーパットを左に外してボギー。11番ではアプローチをグリーンに乗せることが出来ずに連続ボギー。13番パー5では果敢に2オンを決めて2パットのバーディで通算1オーバーとし、予選突破へ大きく前進したかと思われた。だが、直後の14番で1メートル強のバーディパットがカップに蹴られてボギーとしたあたりから「息も苦しくなって体が熱くなって、パットが思うように打てなくなった」と言う石川は、スコアを伸ばしたい15番パー5でバーディならず。16番パー3はティーショットをグリーン端に乗せながら3パットのボギーを叩き、スコアはカットラインぎりぎりの通算3オーバー。残り2ホール、何としてパーで切り抜けなければならない状況に陥った。
そして迎えた17番は絶妙のパットを見せたが、あとひと転がり足りずパー止まり。最終18番はティーショットを左の林に打ち込み、そこから刻んで3打目勝負に出る。残り75ヤードのアプローチはグリーン奥にワンクッションしてピン方向に戻ったが、勢いがつき過ぎて5メートル以上のパーパットを残すことに。最後はカップのわずか左をボールがかすめ、ボギーを叩いて万事休す。カットラインに1打足りない通算4オーバー49位タイで涙をのんだ。
「最後の方はボロボロで自分でもどうして良いかわからなかった。カップをオーバーさせて返しを決める自分のプレースタイルが出来なくなってしまった。去年とは違う緊張感。この内容で予選を通る方がおかしい」と自嘲気味に語った石川。「20歳でマスターズ優勝」を目標に掲げる18歳は、来年この場所でのリベンジを胸に会場を後にした。