宮本、猛チャージ『62』でトップ10浮上! 遼は伸ばせず64位タイ
37歳のべテラン、宮本勝昌がタイガー・ウッズ(米)のお株を奪うような猛チャージで48人を“ごぼう抜き”にした。
現地時間7日に行われたWGCシリーズの今季第3戦ブリヂストン招待(オハイオ州、ファイアーストーンCC)第3ラウンド。ムービングデーの主役は大会ホストプロでもある宮本だった。この日58位タイからスタートした宮本は、出だし直後の2番、3番で絶妙のパットを決めて連続バーディを奪い波に乗ると、2アンダーで折り返した後半、怒濤のバーディラッシュでリーダーボードを駆け上がった。
ショットが冴え渡り、長いパットもことごとく沈め、11番、12番、14番、15番をバーディとした後、クライマックスが訪れたのは17番パー4。ドライバーで放ったティーショットが左のバンカーにつかまり、残り116ヤードの第2打をピッチングウェッジで打つと、それが直接カップに吸い込まれイーグル奪取。「ボールがどこに落ちたのか見えなかったから全然分からなかった。バンカーから出たら歓声が聞こえてきたので、『あっ 入ったんだな…』と思いました(笑)。すごく興奮しましたよ。あのイーグルでトップ10に入れたんですから!」と本人が語る通り、まさかのチップインイーグルで2000年にタイガーが記録したコースレコード61にあと1打と迫る8アンダー62をマーク。通算5アンダーまでスコアを伸ばし、首位と4打差の10位タイまで一気に順位を上げた。
「4日間を終えたときにトータルアンダーパーで回れれば、と思っていました。今日こうして良いプレーができたので、明日もできるだけバーディを獲っていきたいですね」と声を弾ませた宮本。しかもバックナインでマークした『29』はインコースでのトーナメントレコード。それを知ると「世界の名立たる強豪選手が出場しているこの大会で、そんな大それたことをしたなんて…。光栄だし興奮しちゃいますね」と満面の笑みを浮かべていた。
1999年にはQスクールから這い上がり米ツアーにフル参戦したが、結果を残せず日本に舞い戻った。それがトラウマになっているのかと思いきや、宮本は「また挑戦したい」と前を向く。「スティーブ・ストリッカー(米)みたいにカムバックしたいです」と力強く宣言し、米ツアー復帰も視野に入れていることを打ち明けた。自らの野望に弾みをつけるためにも、世界のトッププロが集結するWGCの今大会で納得のいく結果を残したいところだ。
一方、もうひとりのホストプロ、池田勇太は3日目にしてようやくアンダーパー(1アンダー69)をマークし明るい兆しが見えてきた。最終18番では目の前の大きな木の下を抜いてグリーンに乗せる絶妙のショットでバーディを奪うと、「あれは完璧。ベストショット」と自画自賛。通算7オーバーの67位タイと順位的には決して良くないが「ゴルフの調子がどうこうじゃなく、明日は1つでもスコアを伸ばして上を目指したい」と、力強く抱負を口にした。
また、初日からパッティングに苦戦している石川遼は前日まで使っていたピン型の新パターから以前のL字パターに戻して第3ラウンドに臨んだ。しかし復調の手応えをつかみきれず、2バーディ、4ボギーの2オーバー72。3日連続のオーバーパーで通算6オーバー64位タイに低迷している。
なお、第3ラウンド終了時点でのトーナメントリーダーは、ショーン・オヘア(米)とライアン・パーマー(米)の2人で通算9アンダー。マット・クーチャー(米)が1打差の単独3位で、この日6アンダー64の好スコアをマークしたアーニー・エルス(南ア)が通算7アンダー4位タイに浮上。前日2位タイのフィル・ミケルソン(米)はスコアを1つ落とし、宮本と同じ通算5アンダー10位タイ。極度の不振が続くタイガーは通算11オーバーで78位となっている。 (STATS-AP)