遼、6打差14位タイ発進 “桑田の訓言”胸に戦い抜く!
国内男子ツアーの三井住友VISA太平洋マスターズは11日、静岡県の太平洋クラブ 御殿場コースを舞台に第1ラウンドの競技を終了。手嶋多一がノーボギーの8アンダー64と完璧なゴルフで単独首位に立ち、米男子ツアーから凱旋帰国している今田竜二は4アンダー68で3位タイと好発進。一方、現在賞金ランク2位で逆転賞金王を狙う石川遼も2アンダー70で回り、トップと6打差ながら14位タイとまずまずの位置につけた。
石川はインスタートの11番パー5で2オン成功からバーディ奪取。さらに15番、18番でも快調にスコアを伸ばし、前半をボギーなしの3バーディで折り返す。ところがバックナインに入り、前週からスイング改造中の石川が突如つまずく。後半最初の1番パー4でティーショットをラフに入れると、2打目、3打目でもグリーンに乗らず4オン2パットのダブルボギー。直後の2番もボギーとして一気にイーブンパーへ後退。それでも5番、6番で連続バーディを奪い、2アンダー70にスコアをまとめ初日のプレーを終えた。
前週の世界ゴルフ選手権(WGC)HSBCチャンピオンズ最終日、ラウンド中にもかかわらずスイング改造に着手した石川。先に行われたタイガー・ウッズ(米)とのテレビマッチにおいて、自身の目で“盗んだ”タイガー流の新スイングを急にマネてみようと考えたという。シーズン終盤でスイング改造に取り組むことに葛藤もあったが、今大会のプロアマ戦で元プロ野球選手の桑田真澄氏から心強い訓言を授かった。「僕も毎年のように投球フォームを変えていた。上を目指すためには大事なこと。(スイング)改造しながらでも結果を出すのが本当のスーパースターだよ」。日米を股にかけた大投手からのエールを胸に抱き、残り3日間、石川の挑戦は続く。
また、予選ラウンドを石川と同組で回る今田は好スタートを切った。インスタートの出だし10番から連続バーディを奪い波に乗ると、後半6番までノーボギーの6アンダーと安定したゴルフを展開。8番から上がり2ホール連続ボギーを叩き4アンダー68でホールアウトするも、トップと4打差3位タイの好位置につけた。三井住友VISA太平洋マスターズには3年連続4度目の出場で、過去2年はトップ10入りも果たしている。今季は米ツアーで苦しみながらもシード権を確保し、凱旋試合として臨む今大会で「優勝したい。そのためにここへ来た」と意気込む。今田の見据える先は日本での初勝利だけだ。
上位陣は、単独首位の手嶋と3打差の2位に横尾要がつけ、今田と同じ3位タイで宮本勝昌、丸山大輔、松村道央、谷口拓也、上田諭尉の計6人が続いている。その他、賞金ランクトップの金庚泰(韓)は1アンダー71で回り25位タイ、池田勇太は5オーバー77で71位タイと大きく出遅れた。