P.ミケルソン“奇跡のチップイン”ならず… 1打差に泣く
最終日首位タイからスタートした昨年のマスターズ王者フィル・ミケルソン(米)だったが、わずか1ストローク及ばず涙をのんだ。
現地時間30日に行われた米男子ツアーのファーマーズ・インシュランス・オープン最終ラウンド。自身の故郷、カリフォルニア州サンディエゴにあるトリーパインズGC サウスCを舞台にマスターズ以来の勝利が期待されたミケルソンだったが、序盤からボギーを叩く苦しい立ち上がりとなり、優勝者ブッバ・ワトソン(米)に終始先行される展開となってしまった。
しかし、さすがはメジャー通算4勝の実力者。土壇場の終盤17番でセカンドショットをピンに絡ませ難なくバーディを奪い、先を行くワトソンに1打差まで詰め寄る。ところが、肝心の最終18番パー5でティーショットを左に大きく曲げてラフ。2オン狙いを断念し3打目に勝負をかけるが、1組前を回るワトソンが目の前のグリーン上でバーディパットを沈め差は2ストロークまで広がることに。
この最終ホールでイーグルを奪わなければプレーオフに持ち込めない状況となり、ミケルソンはグリーンの形状を入念にチェックする。キャディにピンを持たせて残り72ヤードから直接カップインを狙ったボールは、空高く舞い上がりピン奥1メートルにオン。その瞬間グリーンを取り囲むギャラリーから大歓声が上がったものの、バックスピンでわずかに戻っただけで“奇跡のチップイン”はならず。バーディで締めくくるも通算16アンダーのワトソンに1打届かず、通算15アンダー単独2位に甘んじた。
それでも、前週出場した欧州ツアーで37位タイに終わり世界ランク6位へ後退したことを思えば、この1週間での復調は特筆すべきものがある。「最終日は風も強かったし難しいコンディションだったから、60台で回れば勝つチャンスがあると思っていた。その思惑通り60台(69)を出して勝てなかったんだから仕方がない。最後は上がり2連続バーディで追い上げたが足りなかった。ワトソンは本当に素晴らしかったよ」と勝者を讃えたミケルソン。「(米ツアーでの)初戦を勝利で飾りたかったから残念な気持ちが半分。最終日に良いプレーができたので満足な気持ちが半分。この経験を糧にして4月のオーガスタで花を咲かせたい」と、約2か月後に迫ったマスターズでの連覇を誓った。