強風の中でS.レビンが暫定トップ!
ボールは止まらず、フラッグがはためくどころかピンがしなる。それほどの強風が選手たちに襲いかかった。
出場144選手中、12人を残して日没サスペンデットとなった米男子ツアーのフロリダシリーズ初戦、ザ・ホンダ・クラシック(現地時間3日/フロリダ州、PGAナショナル)第1ラウンド。ホールアウトした選手の中でアンダーパーはわずか8人だけ。この日のラウンドの平均スコア73.8(パー70)は今季米ツアーワースト。アベレージで3打以上のオーバーパーは昨年ぺブルビーチGLで行われた全米オープン以来の記録だ。
メジャー並みの難コンディションの中、特にコース設計者であるジャック・ニクラウス(米)に因んで“ベア・トラップ”と名付けられた15番から17番までは、3ホールの平均スコアがパー数より1.6打も多い難しさ。アダム・スコット(豪)が179ヤードの15番パー3で2度も池につかまり『8』を叩いたのをはじめ、とんでもないプレーがあちこちで見られたほどだった。当然ショットだけでなくパットにも強風は影響を及ぼす。「こんなに風がまわっていたらボールをラインに打ち出せないよ…」とチャール・シュワーツェル(南ア)が嘆くように、グリーン上では溜め息がもれ、頭を抱える選手たちが続出した。
そんな中、3アンダー67をマークして暫定トップに立ったのがスペンサー・レビン(米)だ。風がそれほど強くなかった早朝スタートのアドバンテージを生かし4バーディ、1ボギーでホールアウト。前週WGC-アクセンチュア・マッチプレー選手権の裏大会マヤコバ・ゴルフ・クラシックでプレーオフの末に敗れた雪辱を胸に、今週はプレーしている。「前週は本当に調子が良かった。でも面白いのは、アマチュアの場合は自分の良いショットだけについて話すのに、プロは悪いショットだけを覚えているんだ。1週間前のプレーオフでは最悪なドライバーショットで負けたけど、それ以外は素晴らしいプレーだったからね」と不敵な笑みを浮かべ、ツアー初優勝を虎視眈々と狙っている。
1打差の暫定2位タイでシュワーツェル、カイル・スタンレー(米)、スチュアート・アップルビー(豪)、グレッグ・チャーマーズ(豪)、Y・E・ヤン(韓)が続き、昨季賞金王のマット・クーチャー(米)が1アンダー69で暫定7位タイ、世界ランクNo.2のリー・ウェストウッド(英)がイーブンパー70で暫定9位タイにつけている。日本勢では、藤田寛之が1オーバーで17ホールを終え暫定20位タイ、今田竜二は6オーバー76で暫定105位タイ、池田勇太は10オーバー80で暫定137位タイと大きく出遅れた。