崔&D.トムズ白熱の名勝負! 勝敗を分けたものとは…
フロリダ州、TPCソーグラスを舞台に熱戦が繰り広げられた“第5のメジャー”ザ・プレーヤーズ選手権はプレーオフの末、崔京周(韓)が栄冠に輝いた。
「まずは神様に感謝したい。優勝は神様のお蔭です。そして最終ラウンドを一緒にプレーしてくれたデビッド・トムズ(米)とグラエム・マクドウェル(北アイルランド)にお礼が言いたいです。2人のお蔭でリズム良く、プレーに集中することが出来ました。素晴らしいパートナーに感謝の言葉しかありません」
ツアー屈指の人格者・崔は同伴プレイヤーへ賛辞を贈ったあと「ギャラリーの素晴らしい応援」にも感謝の意味を込め深く頭を下げた。
プレーオフにもつれ込む中、明暗を分けたのはパットだった。周囲を池に囲まれた名物ホール17番パー3。このホール、本戦ではバーディパットを決めたことで崔が一歩リード。最終18番でトムズにバーディを入れ返され2人並んでサドンデスを戦うことになるが、再び訪れた17番での決着の時。約10メートルのパットを慎重に寄せパーで凌いだ崔に対し、トムズは1メートル弱のパーパットがカップに蹴られて万事休す。
「あのパットは上りで目がきつかったから、もっとしっかり打たなければならなかった。なぜかパターのトウ(先)の部分でヒットしてしまった。あれは完全に自分のミス。スパイクマークもボールマークも、何もなかったんだから言い訳のしようがない。あったとすればプレッシャー。重圧で手が動かなかった」と敗戦の弁を口にしたトムズ。
対する崔は「あのパットは絶対にトムズが入れて、2人で次のホールに進むものだと思っていました。彼の心中を察すると辛いです。逆の立場だったらと思うと、同情の念を禁じ得ません」と相手の不運を思いやった。
ともに10代の息子を持つ親同士。3年以上勝星のなかった崔と5年ぶりの優勝を狙ったトムズ。崔は「物事がわかるようになってきた息子に、父親が頑張っている姿を見せたいという気持ちは2人とも同じ」と言うが、今回は「終始リラックスして運を天に任せた」崔に勝利の女神が微笑んだ。