リュウ・ソヨン、プレーオフ制しメジャー初V! 美香5位、藍6位タイ
女子プロ世界一決定戦は、韓国勢の強さを象徴するような結末となった。
連日の雷雨による影響で4日連続でサスペンデッドとなり月曜日まで決着が持ち越された米女子ツアー今季メジャー第3戦、全米女子オープン(コロラド州、ザ・ブロードムーア イーストC)は現地時間11日、最終ラウンドの競技の続きを行い、日曜日中に通算3アンダー暫定単独トップでホールアウトしていたセオ・ヒーキョン(韓)に、この日残り3ホールをプレーしたリュウ・ソヨン(韓)がバーディを1つ奪って追いつき、2007年に3ホールのストロークプレーに変更されて以来初のプレーオフに突入する波乱の展開となった。
プレーオフ1ホール目の16番パー3は2人揃ってパー。しかし、2ホール目の17番パー5が明暗を分けた。
最終ラウンドと同じピン位置で行われたプレーオフだが、前日のうちにプレーを終えていたセオに対し、リュウは少し前にプレーしたばかり。ピン位置はもちろん、その日のコンディションも体が覚えていた。ティーショット、第2打とも完璧で、第3打を左手前2.5メートルにピタリとつける。
一方、この日最初のプレーがプレーオフになってしまったセオは、ティーショットを左のバンカーに入れてしまい、第2打は出すだけ。結局このホール、4オン2パットでボギーを叩いてしまう。
バーディパットを見事に沈めたリュウとはいきなり2打差。苦しい状況で3ホール目の18番パー4を迎えることになる。リズムに乗るリュウの勢いは止めようがない。ここでも1メートルのバーディチャンスにつけるスーパーショットを披露。このホールをパーとし1オーバーで3ホールを終えたセオを尻目に、きっちりバーディを奪って2アンダーでフィニッシュし、嬉しい米ツアー初優勝をメジャータイトルで飾った。
ボールをピックアップすると満面の笑みを浮かべた21歳のリュウ。激闘の相手でもあるセオと祝福のハグを交わすと、すぐに1998年の同大会王者で韓国勢にとっては伝説の人でもある朴セリ(韓)ら仲間たちからシャンパンシャワーの手荒い祝福を受けた。
「信じられない」と、最後まで笑顔で喜びを爆発させたリュウ。「夢はホール・オブ・フェイム(世界ゴルフ殿堂)だけど、まだ始まったばかり」と、威勢のいいコメントを言い放った。
一方、第3ラウンドに入った時には宮里美香が単独1位、宮里藍は単独2位に位置し、ワンツーフィニッシュを期待された日本勢だったが、最終ラウンドがサスペンデッドとなった時点で5ホールを残して2人揃って通算3オーバーと、首位に6打差の暫定7位タイに後退。それでも再開された5ホールで必死のプレーを続けた。
再開直後の14番では揃ってバーディ。美香は続く15番でもグリーンの外からカップに直接沈め込み、連続バーディを奪って通算1オーバーまでスコアを戻し、残り3ホールながらトップのセオとは4打差と望みをつないだ。だが、追い上げはここまで。通算1オーバー単独5位で大会を終え「悔しいのはたくさんありますけど、これがまだ自分のゴルフなのかなと思います」と、唇をかみ締めた。
それでも、今季はクラフト・ナビスコ選手権、ウェグマンズLPGA選手権とメジャー大会3連続のトップ10入りを果たしており、今季最後のメジャー大会、全英リコー女子オープン(28〜31日/スコットランド、カーヌスティGL)に期待をつないだ。
藍は通算2オーバーでカリー・ウェブ(豪)、インビー・パーク(韓)と並ぶ6位タイ。「勝てる感覚は十分あったんですけど、第3ラウンドでグリーンを攻略できなかったのが悔やまれます」と、振り返った。
その他上位陣は、通算1アンダー単独3位にクリスティー・カー(米)、通算イーブンパー単独4位にはアンジェラ・スタンフォード(米)の地元勢が入り、ディフェンディング・チャンピオンのポーラ・クリーマー(米)は、キャリア・グランドスラムに挑んだヤニ・ツェン(台)と並び、通算6オーバー15位タイに終わった。
他の日本勢は、横峯さくらが通算9オーバー27位タイ、諸見里しのぶが通算11オーバー34位タイ、野村敏京が通算18オーバー64位タイで大会を終えた。なお、上田桃子と馬場ゆかりは予選で姿を消している。