全米プロゴルフ選手権 必死の米国勢 vs. 欧州ツアー勢が激突!!
今季、メジャー未勝利という事態を避けるべく、米国勢が最後のメジャーに必死で挑む。
現地時間11日開幕の米男子ツアー第93回全米プロゴルフ選手権(ジョージア州、アトランタ・アスレチックC)は、湿気と厳しい暑さが待ち受けている。さらに全長7467ヤード、パー70という距離、林にセパレートされた狭いフェアウェイ、難しいラフとあちこちに配されたウォーターハザードとの戦いとなるが、そのような状況下で必勝体制で臨むのが米国勢だ。
今年のメジャーはマスターズがチャール・シュワーツェル(南ア)、全米オープンがローリー・マキロイ(北アイルランド)、全英オープンがダレン・クラーク(北アイルランド)とすべて欧州ツアー勢が優勝している。それどころか、昨年マスターズでフィル・ミケルソン(米)が勝って以来、メジャー6大会連続で米国勢は優勝から遠ざかっているという体たらくなのだ。
もちろん、米国のエース、タイガー・ウッズ(米)がスキャンダルや故障を抱えているという事情もある。だが、それ以外のスターが生まれずに人気が低迷。スポンサー獲得といった裏の部分でも苦しい面を隠しきれなくなってきているのだ。
先週のWGC-ブリヂストン招待で約4か月ぶりに4日間プレーを完走したタイガーは、まだ手探り状態とあって、全英オープンで優勝争いを繰り広げたミケルソンを中心にした面々に期待が集まる。
その中には昨年の全米プロで優勝できるスコアでホールアウトしたつもりが、バンカーの中でクラブを地面につけてショットしていたことを指摘され、2打罰を科せられてプレーオフにも残れなかったダスティン・ジョンソン(米)もいる。さらに、ツアー初優勝を切望し、先週も好調だったリッキー・ファウラー(米)ら若手にも期待が集まっている。
もちろん、欧州ツアー勢は米国勢の逆襲を受けて立つ構えでいる。今季のメジャー3試合の優勝者(シュワーツェル、マキロイ、クラーク)は、大会の慣例により予選ラウンドを同組でプレーする。世界ランクNo.1のルーク・ドナルド(英)、No.2のリー・ウェストウッド(英)の2人は、メジャータイトルを渇望しているだけに、目の色を変えての戦いを展開するはずだ。
ディフェンディング・チャンピオンのマーティン・カイマー(独)、さらにタイガー、デービス・ラブIII(米)と同組でプレーするメジャー3勝のパドレイ・ハリントン(アイルランド)など、名前を挙げればきりがないほど強豪ぞろいとあって、こちらからも目が離せない。
また、先週、圧倒的な強さを見せたアダム・スコット(豪)を中心に、メジャーの舞台でたびたび優勝争いに顔を出し、先週も惜しいところまで行ったジェイソン・デイ(豪)ら豪州勢もあなどれない。石川遼、池田勇太、今田竜二、平塚哲二、藤田寛之の5人が参戦する日本勢も含めて、まさに戦国時代のメジャーが間もなく、幕を開ける。