米国男子:賞金レース展望 カギを握るのはタイガーにR.マキロイ、L.ドナルド
現地時間4日から始まるヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(TOC)で早々に開幕する米男子ツアーだが、今年の賞金レースは果たしてどうなるのだろうか。
一昨年はルーク・ドナルド(英)、昨年はローリー・マキロイ(北アイルランド)が、いずれも欧米同時賞金王という快挙を成し遂げている。もちろん、これはメジャーとほとんどのWGCが、両方のツアーの賞金ランキングに加算されているからできたこと。だが、いずれにしても欧州勢にタイトルをさらわれていることに変わりはない。
これに立ち向かう最右翼は、やはり2012年に3勝して復活したタイガー・ウッズ(米)だろう。タイガー自身も、獲得賞金としては同時賞金王に値する年が何度かあった。だが「それに興味はない。メジャー優勝に集中したい」という理由で欧州の出場義務試合数を果たすことなくこれを逃している。そのため、2011年のドナルドが史上初の同時タイトルを手にしたわけだ。そんなタイガーの今年の動向こそ、米ツアーの賞金レースの行方を左右するのは間違いない。
本人の目標は、メジャー15勝目、そしてジャック・ニクラウス(米)が持つ18勝のメジャー最多勝記録に限りなく近づくことだけだ。だが、ここに向かえば、自然に賞金王タイトルをも目指すことになるのは言うまでもない。
得意とするコース、トリーパインズGC(カリフォルニア州)が舞台のファーマーズ・インシュランス・オープン(現地時間1月24〜27日)でシーズンの幕を開けるという好調時のスケジュールに戻して挑む2013年。まずはこの大会で勝てるかどうか。さらに昨年復活優勝を飾ったアーノルド・パーマー招待(現地時間3月21〜24日/フロリダ州、ベイヒルC&ロッジ)も得意な大会だ。ここで勝って、シーズン最初のメジャー、マスターズ(現地時間4月11〜14日/ジョージア州、オーガスタナショナルGC)に臨めるかどうかが序盤戦の鍵となる。
メジャー中心のタイガーが、賞金王タイトルを手にするかどうかは序盤戦次第だが、その他の選手はどうだろう。もちろん、マキロイ、ドナルド、リー・ウェストウッド(英)の欧州勢がこれに立ちはだかる可能性は大きい。毎年突っ走れそうで突っ走れないフィル・ミケルソン(米)が、今年こそシーズンを通じて活躍できれば、ツアーにとっても米国ファンにとってもうれしい限りだ。
このベテラン勢の争いに若手がどこまで絡めるか。毎年、力をつけている中堅どころや若手にとっては大切な1年になるはずだ。
米ツアーは、今年、シーズンを早く切り上げ、年内のうちに次のシーズンに突入するという欧州スタイルを取り入れた。それだけに、選手たちにとってはシーズンを通じての戦い方がこれまでとは違って来ることもあり、賞金レースの行方と流れもまた、フタをあけて見なければわからないというのが本当のところのようだ。