故障明けの松山が参戦! 石川、谷原も
松山英樹が遅ればせながら2014年をスタートさせる。
昨年のうちに米男子ツアー3試合に出場し、すでに29万3,433ドル(約3,100万円)を稼いだ松山だが、世界を股にかけて戦ったプロ1年目のツケで年末には左手親指付け根を故障。国内男子ツアー最終戦を休んだばかりか、出場予定だった年明けのソニー・オープン・イン・ハワイ(米ツアー)も現地入りしながら出場回避を余儀なくされていた。
それでも焦らずじっくりと調整を続け、満を持して臨むのが米ツアーの西海岸シリーズ第2戦、ファーマーズ・インシュランス・オープン(現地時間23〜26日/カリフォルニア州、トリーパインズGC)だ。
同大会と2008年全米オープンを合わせて通算8勝と圧倒的な成績を収めているタイガー・ウッズ(米)や、メジャー通算5勝で地元出身のフィル・ミケルソン(米)など、シーズンで初めて実力者たちが登場する今大会だが、松山は相変わらずのマイペース。大会2日前の練習ラウンドではこれまでに使っていたアイアンではなく、契約先ダンロップスポーツの新製品を試打しながらコースをチェックする余裕すらのぞかせた。
米ツアー初優勝、そしてメジャー制覇に向けてひたすら高いボールを打つためのクラブ試打した松山。「さすがに今週は使いません」と笑ったが、しっかりと先を見据えた戦略を秘めた男がまずはどんなプレーを見せてくれるのか。楽しみな初戦となりそうだ。
一方、米ツアー2年目の石川遼もパワーアップしている。シーズン5試合目だった前週のヒューマナ・チャレンジでも25位タイとなり、フェデックスカップポイントランキングは現在19位。次のシーズンの出場権がはるかに遠かった昨季とは大きく違うスタートを切って落ち着いている。
練習ラウンドではピンによるショットを連発しながらも感触が良くないことを告白。それでも「今はシード権獲得に向けて目の前の結果が必要」とひたすらスイングを追及していた昨季までとは全く違う覚悟を口にした。同い年の松山が米ツアーに乗り込んできて身近なライバルとなったことで、さらに違う面をのぞかせつつある今季の石川。一足先に初優勝するべく、心身共に条件を整えている。
日本勢はもう一人、谷原秀人が参戦する。かつて米ツアーを主戦場にしていた経験もある男は、昨季国内ツアーの三井住友VISA太平洋マスターズで約3年ぶりとなる復活優勝を飾った。今季もソニー・オープンで得意のパッティングを武器に8位タイに入っており、前向きのスイッチが入りっぱなしだ。北と南の2つのコースをプレーする大会に備えて2本のパターで対応するなど、パット巧者として準備は万端。若い後輩たちに負けない結果を出すべく燃えている。