20歳のJ.スピース最年少Vなるか? B.ワトソンと首位並走
タイガー・ウッズ(米)のいない大会で20歳のジョーダン・スピース(米)に“タイガー超え”のチャンスが巡ってきた。
今年で第78回を迎えたゴルフの“祭典”マスターズは現地時間12日、ジョージア州のオーガスタナショナルGCを舞台に第3ラウンドの競技を終了。前日まで首位を走っていたバッバ・ワトソン(米)が2オーバー74を叩き失速したことで、この日4バーディ、2ボギーの2アンダー70をマークし通算5アンダーまでスコアを伸ばしたスピースが首位のワトソンと並んだ。
スピースが勝てばタイガーが持つ21歳3か月14日(1997年)のマスターズ史上最年少優勝記録を更新(20歳8か月17日)することになる。また、初出場者の優勝は79年のファジー・ゼラー(米)以来35年ぶりの快挙。だが、大記録を前にしてスピースはいつもと変わらず落ち着き払っているように見える。
「今日はグリーンがあまりにも速くて、思わず(同伴プレーヤーの)アダム(スコット)と顔を見合わせてしまった」と言うが、「このコースではボギーは仕方がない。我慢してパー5でチャンスを待つしかない。明日も忍耐強くプレーしたい」とスピース。幼い頃から自宅の前庭にグリーンを作り「マスターズごっこをしていた」という20歳が憧れの舞台で夢に向かってひた走る。
一方、一時後続を5打リードしていたワトソンだがボギーがかさみ、後半はパットが全く打てなくなってスピースに並ばれトップタイ。2年ぶり2度目のマスターズ制覇にはここでいかに気持ちを切り替えられるかにかかっている。
1打差の3位タイにマット・クーチャー(米)とジョナス・ブリクスト(スウェーデン)が並び、この日のベストスコア6アンダー66をマークした50歳のミゲール・A・ヒメネス(スペイン)が通算3アンダーでリッキー・ファウラー(米)ととともに5位タイ。ちなみにヒメネスには史上最年長メジャーチャンピオンの可能性がある(これまでの記録は68年の全米プロゴルフ選手権でジュリアス・ボロスが記録した48歳4か月18日、マスターズでは46歳2か月23日のジャック・ニクラウスが最年長)。
さらに悲願のメジャー初Vを狙うリー・ウェストウッド(英)が通算2アンダー7位タイにつけたが、ディフェンディング・チャンピオンのスコットは4オーバー76の大誤算で通算1オーバー16位タイに後退。連覇に黄信号が灯った。
尚、松山英樹はカットラインに3打足りず決勝ラウンド進出を逃している。