注目選手振り返り 〜リッキー・ファウラー〜
2010年に米ツアーの新人王、さらに2012年にはツアー初勝利も挙げたリッキー・ファウラー(米)。2014年はメジャー4大会全てでトップ5入りを果たしたものの、優勝トロフィからは2年以上遠ざかっていた。
2014-15シーズンの初戦となったWGC-HSBCチャンピオンズは3位タイだったものの、年明けからは本来の力を発揮できず、WGC-キャデラック選手権とメジャー初戦のマスターズでは12位タイに終わる。しかし、5月のザ・プレーヤーズ選手権。“第5のメジャー”とも呼ばれるツアーを象徴するビッグトーナメントで最高の結果を手にする。
初日から69-69-71とスコアを並べ、トップと3打差の11位タイから出た最終日。12番までは1オーバーと我慢のゴルフが続いたものの、13番でバーディを奪うとエンジン全開に。上がり4ホールをバーディ、イーグル、バーディ、バーディと圧巻のプレーで「67」をマーク。セルヒオ・ガルシア(スペイン)、ケビン・キスナー(米)と並び、プレーオフへ突入する。
16番、17番、18番の3ホール制で行われたプレーオフでは、ガルシアが1オーバーで脱落。サドンデスとなった4ホール目は名物アイランドグリーンの17番パー3で行われ、ファウラーがティーショットを約1.5メートルに寄せてバーディを奪い、勝負を決めた。
開幕前には、米スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」が米男子ツアーの選手を対象に行った「ツアーで最も過大評価されている選手は誰か」という無記名投票でイアン・ポルター(英)と並び1位となっていたファウラー。悔しさを晴らすツアー2勝目に「仮にそのような疑問があったとしても、ここにあるもの(トロフィ)が答えになっているはずだ」と評価を覆す優勝となった。
その後は重圧から解き放たれたかのように、7月に行われた欧州ツアーのアバディーン・アセット・マネジメント・スコティッシュ・オープンで初の欧州タイトルを獲得。さらに、米ツアーに戻りプレーオフシリーズでは第2戦のドイツ銀行選手権を制し、シーズン3勝を達成した。
米ツアーの年間最優秀選手候補にもなるなど新たなスタートを切ることが出来た2015年次なる目標は「メジャー制覇」と語っているが、その準備はすでに整っている。