注目選手振り返り 〜ジョーダン・スピース〜 Part2
前週大会の優勝で大きな弾みをつけて全英オープンに臨んだジョーダン・スピース(米)。しかし、同大会ではトップと1打差4位タイに終わり、1953年のベン・ホーガン(米)以来となる同一年でのメジャー3連勝はならず。メジャー最終戦、全米プロゴルフ選手権でもジェイソン・デイ(豪)に次ぐ単独2位とトロフィにあと一歩が及ばなかった。それでも開幕2連勝を挙げ、その他2試合でも優勝争いに絡んだメジャーでの活躍は群を抜くものだ。
そして全米プロ後の世界ランキングでは自身初の世界ランクNo.1に立ち、タイガー・ウッズ(米/当時21歳)に次ぐ史上2番目に若い世界王者となった。その後はプレーオフシリーズで初戦から2試合連続予選落ちと苦戦したものの、最終戦をシーズン5勝目で締めくくって最年少の年間王者に輝き、同じくシーズン5勝のデイをかわして年間最優秀選手にも選ばれている。
この1年間を「現実離れしていた」と振り返るスピースは、シーズン後のザ・プレジデンツカップでも3勝2敗とチームの勝利に貢献した。10月に新シーズンが開幕して以降は、オーストラリアン・オープン(豪州ツアー)、ヒーロー・ワールド・チャレンジで連覇こそ逃すも優勝争いを演じ、来年からのシーズン本番へ期待は高まっている。ただ、ライバルのローリー・マキロイ(北アイルランド)も指摘するように、大きな結果を残した翌年は活躍が難しいもの。ジンクスを吹き飛ばすようなプレーを来年も続けられるだろうか。
その2016年には、自身2度目の出場を目指すライダーカップに加え、ゴルフが112年ぶりに復活するリオデジャネイロ五輪も開催されるとあり、スピースのモチベーションは高い。特に五輪については「第5のメジャーに値する」と国を背負った戦いに期待を膨らませており、米ツアー外での活躍も大きな楽しみとなりそうだ。これまでツアーを牽引してきたタイガー・ウッズ(米)が存在感を薄める中、デイ、マキロイといったライバルとともに今後もゴルフ界を盛り上げてもらいたい。