注目選手振り返り 〜タイガー・ウッズ〜
今年10月にキャリア3度目の腰の手術を受け、いまだに復帰の目処が立たないタイガー・ウッズ(米)。復活へ向けて先の見えない戦いを続ける元世界王者にとって、2015年は辛い一年だったに違いない。
2012-13シーズンには年間5勝を挙げてツアー最優秀選手にまで選ばれたタイガーだが、2014年3月に初めて腰を手術してからは上位争いもままならなくなっていた。復活を期して臨んだ昨季は新コーチ、クリス・コモ氏の下でスイング改造に取り組むも結果には結びつかず。4月のマスターズ(17位タイ)でこそ2年ぶりの出場でファンを沸かせるも、以降は自身初のメジャー3戦連続予選落ちを喫するなどスランプに陥った。
結局、8月のウィンダム選手権でシーズンを終えるまで出場11試合でトップ10入りは同大会での1回のみ。今秋のオフに入ってから再び2度にわたる腰の手術を受け、現在はクラブも握れない状態だという。タイガー自身も「先行きが全く見えないことが何よりも辛い」と嘆いており、弱気ともとれる発言には引退説も囁かれ出した。
それでもタイガーは「2016年の一番の楽しみはツアーに復帰すること」と決してゴルフへの情熱を失っていない。今月30日に40歳の誕生日を迎えたといっても、約1年半前まで世界ランクNo.1に立っていたことを考えれば老け込むにはまだまだ早いだろう。来年開催のライダーカップで米国チーム副主将に指名されたこともタイガーのモチベーションを高めているはずだ。
復帰を目指す米ツアーではジョーダン・スピース(米)ら若手の大躍進でタイガーの存在感が小さくなっているのは確かだろう。しかし歴代2位のメジャー14勝、米ツアーでは79勝を挙げて一時代を築いたタイガーの復活を、米国のみでなく世界中のゴルフファンが待ち望んでいる。2016年がタイガーの復権元年となることに期待したい。