優勝争いの大きな分岐点となった13番のボギー
ジョーダン・スピース(米)の優勝で幕を閉じた第146回 全英オープン。スピースとマット・クーチャー(米)の一騎打ちの様相で進んだ最終日の分岐点となったのは、パー4の13番だった。
前半からボギー先行する苦しい展開となったスピースは、トップタイで迎えた13番でティーショットが大きく右へと曲げてしまう。自らの頭を抱えるほどのミスショットは、ギャラリーゾーンの奥にある丘へと行き、ボールは大勢のギャラリーの捜索もあって見つかったが、アンプレアブルを宣言した。
ティーショットを打ち直すこともできたが、スピースはピンフラッグとボールを結んだ延長線上の後方にドロップすることを選択。14番の右隣は練習場となっており、そこにはゴルフメーカーの大型トレーラーが配置されていたため、救済を受けて距離は長く残るものの簡単なライから打つことが可能となった。
冷静な判断によって3番アイアンで放った3打目をグリーン近くまで運んだスピースは、4打目でピンに寄せて、このホールをボギーでホールアウト。傷口を最小限に留めて、続く14番からの4ホールで5アンダーと驚異的なチャージに繋げた。
アンプレアブルの宣言とドロップ位置を巡っては20分近い協議が行われたことに否定的な意見も挙がっているが、スピースはこの時を振り返って「一番の疑問は練習場がOBであるかどうかだった。OBではないとわかったので、次のショットを打ちやすい場所を探したんだ」とコメント。時間がかかった原因は、救済の正しいニアレストポイントの選定に時間がかかったからだと話している。
一方、20分以上待つこととなったクーチャーも「良いスイングのリズムがあるうちに次のショットを打ちたかったが、時間がかかることは分かっていた。難しい状況だったからね」と理解を示している。