スポンサー撤退とハリケーン被害と闘うヒューストン・オープン
テキサス州に位置するゴルフクラブ・オブ・ヒューストンは、例年マスターズ前最後の大会となるヒューストン・オープンを主催している。しかし、コース最終ティの名物であった赤と黄色の花でできた大きな貝殻が姿を消した。26年間にもわたって、タイトルスポンサーを務めてきたシェル石油が昨年度をもって撤退したのだ。
大会の責任者を務めるスティーブ・ティムズ氏のもとにシェルのスポンサー撤退を告げられたのはおよそ2年前のことであった。だがヒューストンは全米で4番目に大きな都市であり、トーナメントの新たなパートナーには、地元の大企業が名乗りを上げるだろうと楽観的にとらえるのも無理はない。
だが、ほどなくして状況は一変する。2017年8月に発生したハリケーン「ハービー」は、ヒューストン全域に大きな被害をもたらした。復興は思うように進まず、ティムズ氏によれば、翌年2月までヒューストンに戻らなかった企業もあるという。スポンサー探しは自然災害という不可抗力によって阻まれてしまったのだ。
ティムズ氏は17-18シーズンの大会にはスポンサーを募らないことを決断した。70年におよぶ歴史がありつつも、来年の同大会の開催日程の見直しは余儀なくされ、このままでは存続が危ぶまれるかもしれない。
今年もヒューストン・オープンに出場予定のリッキー・ファウラー(米)は、「この大会がなくなってほしくない」とコメントし、「テキサス州はゴルフの大会が多く開催されるけど、そのなかでもヒューストンは特にゴルフゆかりの地だ。ハリケーンから立ち直るなかで、自分にできることは今後も支援していきたい」と語った。
2015年覇者のJ.B.ホームズ(米)も「この大会はなくなるべきではない。歴史があるからね」と、ヒューストン・オープンが今後も続いてほしいと語っている。
スポンサー探しが3年目を迎えるティムズ氏らは最近、スポンサー候補の企業との話し合いに手ごたえがあったといい、来年から新たな日程とパートナーのもと開催するのを期待しているようだ。
(写真提供:Getty Images)