「ゼクシオ ナイン」ユーティリティは、アイアンイメージというよりウッドに近いイメージです。構えた感じ、前作よりややトゥ側の膨らみが大きくなっていて、つかまりがよくすんなり構えやすい印象を受けました。また今回、ゼクシオのUTでは初の「カップフェース構造」を採用しているのですが、やはりそのフェースがキーポイントですね。フェースの高さを出しているので、ラフにも強く高さが出ます。深く入れて上目にあたると低スピンで飛んでいく。下目で打った際の拾いやすさ、ボールの上がり具合、弾道安定感…と、打点に関わらず飛距離が出ます。フェアウェイウッドもそうですが、ボールの上がりやすさが印象として強く残るので、これまでユーティリティを使用したことのない方にも是非使って欲しいですね。

所有感を十二分に満たしてくれるデザインの「ゼクシオ ナイン」アイアンですが、弾道の直進性の強さ、上がり易さが際立っています。しかも、しっかり高さも出てスピンも入るので距離感は合うのです。所謂、ディスタンス系アイアンの様に何処までも飛んでいってしまうということでなく、ボールの上がり易さとスピン性能を合わせ持っています。今日は比較的グリーンが固かったのですが、ランが出なかったことからもよく分かります。

打ち出しの高さによってアイアンらしい、いい弾道。直線的かつ強い弾道で飛んで、そこから落ちるという弾道ですね。チタンフェースをソール方向に拡大し、アベレージゴルファーの打点位置であるフェース下部の反発性能をアップさせているので、ショットが大きく乱れません。アンダーカットのパシっと弾くような打感・この爽快感はやはりゼクシオならではと実感します。

また、今回のウエッジも完成度が高い。易しいウエッジと言えばまずは“顔”の大きさですが、フェース面が大きいのでバンカーからも打ちやすいのですが、加えてややフラット気味の厚ソールも基本的にはダフりに強く、アマチュアゴルファーの方には易しく感じられるのではないかと思います。

よく、アイアンとウエッジは別のブランドで揃える方がいますが、「ゼクシオ ナイン」アイアンはウエッジまでトータルで使うと、より性能の恩恵が受けられますね。

「ゼクシオ ナイン」シリーズと同日発売の「ゼクシオ ミルド パター」。ヘッド形状はマレットタイプですが、あえて重心距離をつけてるのが面白いなと思います。マレットでセンターシャフトだったりフェースバランスだと普通なのですが、重心距離があるのでL字パターの変形タイプと言えるでしょう。

個人的な印象になるかも知れませんが、フェースの高さを抑えたシャローフェースのパターだとアッパーに打つイメージになります。逆に厚いフェースだと上から打つ感覚。「ゼクシオ ミルド パター」のロフトは4度で、市販モデルではロフトが多いほうです。シャローフェースとあわせて、自然とロフトがありながらアッパーに打つイメージですので、ショートパットが安定します。また、速いグリーンに強いというメリットも。使いたいというプロがこれから結構出てきそうです。

重心距離の深さ、ベントシャフト、フェースバランスでない感じの全体のバランスが、意外と市場にないパターンなんですね。ヘッド素材も「SUS303ソフトステンレス」で打感も申し分ないので、「ゼクシオ ナイン」シリーズとトータルで使えるパターに仕上がっています。

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永井延宏プロ

1969年2月2日生。埼玉県出身。「ホールインワン」「プロゴルファー猿」などのゴルフマンガの影響を受け、10歳よりゴルフをはじめる。日本大学櫻丘高校ゴルフ部主将を務め、日本大学文理学部に進学。その後、練習場やゴルフ場に勤務しながら、多くのアマチュア競技大会に参加。1994年にはゴルフ留学のため渡米し、フロリダ、コロラド、カリフォルニアへ。フロリダ州オーランドを拠点に試合をしながら、ジム・マクリーンなどのアメリカ最先端のティーチング・ノウハウを学ぶ。帰国後、レッスン活動をを開始し、2006年にレッスンオブザイヤーを受賞。 公式HP:http://www.deepingolf.com

撮影協力:葉山国際カンツリー倶楽部(神奈川) http://www.hayama-kokusai-cc.com/ 写真撮影:内田眞樹

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