A.スコット、逆転で2年ぶり復活V!
アダム・スコット(豪)が最終日36ホールの長丁場で猛チャージ。逆転で2008年以来となる米男子ツアー通算7勝目を挙げた。
荒天のため進行が遅れていた同ツアーのバレロ・テキサス・オープン(テキサス州TPCサンアントニオ)は現地時間16日、第3ラウンドと最終ラウンドを行い、36ホールで計11ストロークのスコアを伸ばしたスコットが通算14アンダーとし、2位のフレデリック・ヤコブソン(スウェーデン)に1打差をつけて優勝を飾った。
第3ラウンドを終えて前日の22位タイから通算9アンダー6位タイに浮上していたスコットは、最終ラウンドも正確なショットと絶妙なパットで17番までに6つスコアを伸ばし勝利を決定づけたかに思われた。ところが最終18番パー5でサードショットを左に曲げ、厄介なバンカーにつかまるピンチ。そこから1.5メートルに寄せ、通算15アンダーのままホールアウトするかに見えたのも束の間、その短いパーパットを決めることが出来ず。このホールで最終ラウンド唯一のボギーを叩き一歩後退してしまう。その間にツアー初Vを狙うヤコブソンが15番のバーディで1打差まで詰め寄り、最終パー5でバーディならスコットに並びかける展開に。だがヤコブソンも勝負の3打目をピンに絡めることが出来ずにパー止まり。
ここからスコットにとっては長い長い試練の時間が待っていた。というのも早い組でホールアウトしていたため、全員が18番をプレーし終えるまで1時間半も待たなければならなかったからだ。しかし賞金ランク現在トップのアーニー・エルス(南ア)、同郷のアーロン・バデリー(豪)、ジミー・ウォーカー(米)ら優勝候補がスコアを伸ばし切れずに通算12アンダー3位タイでフィニッシュしたことで、スコットに2年ぶりの勝利が転がり込んだ。
わずか2年前、世界ランク3位まで上り詰めたスコットだが、その後ケガなどもあって勝星から遠ざかり、前週の同ランクは43位。2週間前、米チャンピオンズツアーのプレーヤーでフィル・ミケルソン(米)らのショートゲームのコーチを務めるデーブ・ストックトン(米)に「君の(パッティングの)不調は15分もあれば直せる」と言われ師事を仰いだところ、「ストックトンの言葉は本当だった。パットが決まっているときはゴルフが楽しい」と、36ホールを回ったこの日66ー67のチャージに成功した。
「調子が良いときはいくらゴルフをしても飽きない。これまではパットの不調がプレーを台無しにしていたけれど、今日はそのパットが入ってくれて、本当に楽しかった」と復活ののろしを上げたスコットは久々の優勝を喜んだ。奇しくも2年前最後に勝った試合がテキサスで行なわれたバイロン・ネルソン選手権。そして2年ぶりの勝利を挙げたのもテキサス。これも何かの縁なのかもしれない。
なお、日本勢は今大会に出場していない。