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P.クリーマー、悲願のナショナルオープン制覇!

更新日:2010/07/12 11:45
P.クリーマー、悲願のナショナルオープン制覇!
悲願の全米女子オープン制覇を達成し、3年ぶりに母国タイトルを奪還したP.クリーマー。万感の思いを込めて優勝トロフィーにキスをする。(写真提供:AP Images)

 

 ウイニングパットを決めた瞬間、ポーラ・クリーマー(米)は両手で顔を覆い万感の思いに耐えた。待ちに待ったこの瞬間、苦しみ抜いた親指の痛みさえも吹き飛んだ。

 米女子ツアーの今季メジャー第3戦全米女子オープンは現地時間11日、史上最難関といわれたペンシルベニア州のオークモントCCを舞台に、日没サスペンデッドとなった第3ラウンドの続きと最終ラウンドの競技を終了。第2ラウンド以降トップを走り続けたクリーマーが今大会唯一のアンダーパーとなる通算3アンダーで、アメリカ勢としては2007年以来3年ぶりの全米女子オープン制覇を達成した。

 まさに“横綱相撲”。そんな言葉さえ浮かんでくるクリーマーの圧勝劇だ。誰もが「アンダーパーの優勝はない」と思っていた難コースで、それも優勝のプレッシャーがかかる最終ラウンドを2アンダー69で回り、後続に4ストロークの大差をつけた。「言葉にならないわ。本当に信じられない。これまで私を支えてくれた家族やキャディ、すべての人々、それに神様に感謝します!」と満面の笑みで声を弾ませたクリーマー。

 2005年、弱冠18歳でプロデビューを果たしたこの年にツアー2勝を挙げ賞金ランクでも2位に輝いた逸材は、昨年まで常にトップランナーとしてアメリカのゴルフシーンをリードしてきた。ところが今季序盤、長年酷使し続けてきた左手の親指が突如悲鳴をあげる。そのためシーズン開幕戦を途中棄権し手術を受け、つい最近までリハビリに専念。ツアーに復帰したのはわずか1か月ほど前で、復帰4戦目となった今大会でメジャー初制覇を成し遂げた。

「母国のナショナルオープンで勝つのが夢」と常々語っていたクリーマーは、これまで何度か全米女子オープンで優勝争いを演じているが、自分にプレッシャーをかけ過ぎて最終日に崩れるパターンが多く、これまでの最高位は6位タイ。今回も最終ラウンドの12番でショットをミスし「あれ… 優勝を意識しているのかしら? ダメダメ、気持ちを先走らせては」と自らを戒め、自身の悲願と3年ぶりの母国戴冠を実現させた。

 手術した親指は「まだショットを打つたびに痛む」と言うが、そのハンデを持ち前の精神力で乗り越え勝利をたぐり寄せた。米国勢が劣勢に立たされアジア勢が大躍進する今季の米女子ツアーで、クリーマーが“強いアメリカ”の象徴となるべく完全復活を果たしたのだ。

 上位陣は、最終ラウンドで5アンダー66と爆発したナ・エン・チョイ(韓)がスーザン・ピーターセン(ノルウェー)と並び通算1オーバー2位タイに入り、前週プレーオフで敗れたキム・インキョン(韓)が通算2オーバー単独4位に食い込んだ。

 その他、初日のトーナメントリーダー、ブリタニー・ラング(米)が申智愛とエイミー・ヤンの韓国勢2人とともに通算3オーバー5位タイ。横峯さくらがヤニ・ツェン(台)、15歳の新星アレクシス・トンプソン(米)と並び通算6オーバーで10位タイ。宮里藍は最終日アンダーパー(1アンダー70)で回り追い上げたものの、通算13オーバー31位タイに終わっている。

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