ゴルフの聖地に新星現る! L.ウーストハウゼン圧勝
欧州ツアーでわずか1勝しか挙げていない伏兵ルイス・ウーストハウゼン(南ア)が、危なげないゴルフでリードを広げ、聖地セントアンドリュースでメジャー初優勝を飾った。
今季メジャー第3戦、第139回全英オープン(スコットランド、セントアンドリュース オールドC)は現地時間18日に最終ラウンドの競技を行い、2位に4打差の単独トップからスタートしたウーストハウゼンが終始落ち着いたプレーで1イーグル、1バーディ、2ボギーの1アンダー71にスコアをまとめ、通算16アンダーで逃げ切りクラレットジャグ(トロフィー)にその名を刻んだ。
最終組で一緒に回ったポール・ケイシー(英)が2番のボギーで失速すると、3位スタートのマーティン・カイマー(独)も出だしの1番でいきなりボギー。さらには4位タイからスタートした世界ランク3位のリー・ウェストウッド(英)も序盤からパーをセーブするのがやっとの状態。後ろから追いかけてくる選手がいない中でウーストハウゼンも8番でボギーを先行させたが、続く9番で値千金のイーグル奪取に成功。そこからは楽勝ムードが漂い、最後はウェストウッドに7ストロークの大差をつけた。
南ア勢としては2002年のアーニー・エルス以来4人目の全英オープンチャンピオンとなったウーストハウゼン。奇しくもエルスが主催するジュニアプログラム出身の27歳は「信じられない。本当に驚きだ。きっとあと何日かしないと実感が湧かないんじゃないかな。今日はとにかく落ち着いてプレーしようと思っていた。大量リードしたことで気持ちをコントロールするのが難しかったけれどね」と喜びを爆発させた。
最終ホールで3メートルのバーディパットが決まっていれば、タイガー・ウッズ(米)が2000年に達成した8打差の勝利に並ぶところだったが、最後はバーディで締めくくることは出来なかった。それでも「(2000年の)タイガーがそうだったように、バンカーの罠にハマらなかったのが勝因」と自らのプレーを評価した。
7打差の単独2位にウェストウッドが入り、初日のトーナメントリーダーであるローリー・マッキルロイ(北アイルランド)、ケイシー、ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)が3位タイに並んだ。「(80を叩いた)2日目さえもう少しましなスコアだったら展開は変わっていたのに」と、マッキルロイは悔しさをにじませながらも、最終日4アンダー68のチャージには納得の表情。もっとも有望視されている若手は8月に行なわれる全米プロゴルフ選手権でメジャー初勝利を目指す。
また名前の頭文字が同じ『R』ということもあり、何かとマッキルロイと比較されることの多い石川遼は、この日2つスコアを伸ばし通算2アンダー27位タイで終戦。メジャー大会での自己ベストを更新している。さらにもう1人の『R』ことルーキーのリッキー・ファウラー(米)も最終日に5アンダー67の好スコアを叩き出し、通算5アンダー14位タイに浮上。タイガーが23位タイ、フィル・ミケルソン(米)が48位タイと元気がなかったアメリカ勢の中で気を吐いた。(STATS-AP)