宮里美香がプロ初優勝! 完全Vで日本女子オープン制す
アメリカを主戦場とする宮里美香が女子ゴルファー“日本一”を決める大舞台で完全勝利を達成。プロ転向2年目の20歳が日米両ツアー通して念願の初優勝を飾った。
国内女子ツアーの今季公式戦第3戦、日本女子オープンゴルフ選手権競技(3日/茨城・大利根カントリークラブ 東コース)は最終ラウンドの競技を終了。初日から首位タイに立ち2日目以降単独トップを独走していた宮里美香が4アンダー68をマークし、通算12アンダーと後続に6打差をつける圧勝劇。国内メジャーの舞台で完全Vとプロ初優勝を同時に成し遂げる快挙となった。佐伯三貴が通算6アンダーで2位、アン・ソンジュ(韓)が通算5アンダー3位に入っている。
最終日は2位以下と4打差からのスタート。奇しくも昨年大会、美香は今年と同じ4打差の単独トップで最終日を迎えていた。しかし、当時まだ19歳のプロ1年生は「体が思うように動かなかった…」と6オーバー78の大叩きを演じ、優勝どころか6位タイまで順位を落とし終戦。そんな中、今大会2日目で単独トップに立ち「今年は新しい自分をつくります!」と力強く“勝利”宣言。さらに3日目を終えたところで「去年と一緒の展開なんて逆にスゴイですね。でも今の課題はゴルフを楽しむこと、『エンジョイ・ゴルフ』です」と、優勝の重圧を微塵も感じさせずに勝負の最終ラウンドへ乗り込んできた。
それでも日本最高峰の大会で国内メジャー制覇、しかもプロとして自身初勝利が懸かるラウンドでプレッシャーを感じないわけがない。だがアマチュア時代に米女子ツアーのプロテストに合格し、海外の厳しい試合で確かな実力を身に付けてきた20歳は全く動じなかった。まず4番パー3でティーショットをピンそば1.5メートルにつけると、このパットを難なく沈めてバーディ先行。さらに6番パー3ではグリーン端から約15メートルのロングパットをねじ込み2つ目のバーディ。この時点で後続に7打差となり、ほぼ勝負を決定づける。後半に入っても13番から3連続バーディ、難関17番ではラフからの2打目を木に当てるトラブルがありながらパーをセーブ。最終18番で唯一のボギーを叩くも最終ラウンドを5バーディ、1ボギー、昨年より10ストロークも良い4アンダー68の好スコアで回り、見事優勝を飾るとともに昨年の雪辱を果たした。
一方、2005年以来となる日本女子オープン制覇を狙った宮里藍は苦しい最終ラウンドとなってしまった。通算2アンダー単独4位から出たこの日、1番でいきなりダブルボギーを叩くと4番もボギーとして前半だけでオーバーパーへ後退。バックナインの13番パー5でようやくバーディを奪ったものの、最後まで流れに乗れず最終成績は通算イーブンパーの9位。仮に今大会で単独3位以上の成績なら国内女子ツアー史上最速の76試合目で生涯獲得賞金4億円突破となるところだったが、それは叶わなかった。
その他上位陣は、有村智恵が通算4アンダー単独4位に食い込み、上原彩子と崔羅蓮(韓)が通算3アンダー5位タイ。昨季賞金女王の横峯さくらは通算1アンダー7位タイだった。なお、今大会のローアマチュアには堀奈津佳とダニエル・カン(米)の2人が通算7オーバー19位タイで並んだが、カンがプレーオフを制してローアマチュアのタイトルを獲得している。