最終戦の劇的勝利! 欧州チームがライダーカップ制覇
荒天の影響で変則スケジュールとなっていたライダーカップ(ウェールズ、セルティック・マナー・リゾート)は現地時間4日、大会最終日の競技を終了。欧米各チーム12人ずつによるシングルスマッチが行われ、欧州チームは4勝2分6敗(勝:1ポイント、分:0.5ポイント、敗:0ポイント)という結果となったが、前日までの合計獲得ポイントで9.5対6.5とリードしていたため、トータル14.5ポイントまで伸ばした欧州チームがわずか1点差で米国チームを振りきり2006年以来2大会ぶりとなるライダーカップ制覇を果たした。
初日から豪雨に見舞われ連日サスペンデッドの欧米対抗戦、最後は劇的な幕切れとなった。この日3ポイントのアドバンテージを持って運命のシングルス決戦に臨んだ欧州チームだが、第1試合でリー・ウェストウッド(英)がいきなり敗戦。第2試合を引き分けとし、第3試合でルーク・ドナルド(英)が今年のフェデックスカップ王者ジム・フューリック(米)を1アップで下し、再び3ポイント差とする。その後は第7試合まで2勝2敗と両チームとも一歩も譲らぬ展開。ところが、第8試合でフランセスコ・モリナリ(伊)がタイガー・ウッズ(米)に敗れると、第9試合の引き分けをはさみ、第10試合と第11試合でまさかの2連敗を喫してしまう。
シングルス最終戦を前に土壇場でポイント13.5対13.5と同点に追いつかれ、欧州チームは全米オープンチャンピオンのグラエム・マクドウェル(北アイルランド)に全てを託す形となる。相手は今季の世界ゴルフ選手権ブリヂストン招待を制したハンター・メイハン(米)。今年ビッグタイトルを獲得した実力者同士の一戦は、序盤から動きを見せる。出だしの1番ホールでマクドウェルがバーディを奪い先行すると、4番、6番もバーディとして3アップのリード。一方のメイハンも中盤から踏ん張りを見せ、15番のバーディで1ダウンまで盛り返す。
そして、マクドウェルの1アップで迎えた16番パー4。メイハンがバーディを奪えなかったのに対し、マクドウェルは5メートルの微妙なスライスラインを読み切り会心のバーディ奪取。2アップのリードを許し続く17番パー3で勝つしかない状況となったメイハンだが、このショートホールで痛恨の1オン失敗からパーパットも決められず、結局3アンド1でマクドウェルに軍配が上がった。
シングルスマッチの最終第12試合で決着がついたのは、1991年のライダーカップ以来実に19年ぶり。欧州チーム主将のコリン・モンゴメリー(スコットランド)が「マクドウェルの(16番での)バーディパットは素晴らしかった。本当にアンビリーバブルだ!」と絶賛すれば、殊勲の白星を挙げた本人も「あのパットは僕のゴルフ人生の中で間違いなくベストパットになる」と、大興奮で勝負を決めた自身のパットを振り返っていた。