“飛ばない男”H.スローカムが激戦制し逃げ切りV!
派手なガッツポーズもなければ劇的なドラマがあったわけでもない。その上、最後はボギーフィニッシュ。締まらない終わり方だが勝ちは勝ち。ツアーで最も飛ばない選手のひとり、ヒース・スローカム(米)が逃げ切ってツアー通算4勝目を挙げた。
米男子ツアーのフォールシリーズ第2戦、マクグラドレー・クラシック(ジョージア州、シー・アイランドGCシーサイドC)は現地時間10日に最終ラウンドを行い、首位スタートのスローカムが2アンダー68をマーク。通算14アンダーまでスコアを伸ばし、後続の追い上げを振りきり優勝を飾った。1打差の単独2位に前週のバイキング・クラシックに続き2週連続Vを狙ったビル・ハース(米)が入り、デビッド・トムズ(米)、ロバート・アレンビー(豪)、アージュン・アトワル(インド)が通算12アンダー3位タイ。
少なくとも7、8人に優勝のチャンスがあっただろう。終盤を迎えても混戦は続き、スローカムとトムズがともに通算14アンダーで迎えた16番。1組前のトムズが絶好のバーディチャンスからまさかの3パットでボギーを叩いたその直後、スローカムがグリーン外からチップインバーディを決め一気にスローカムが2打リードする展開に。意気消沈したトムズは17番でもパットを外し連続ボギーで万事休す。先にホールアウトしていたハースにも抜かれ3位タイに甘んじた。
16番での値千金のチップインで抜け出したスローカムは、最終ホールでグリーンを外しボギーとするも1打差で辛くも逃げ切り、昨年のザ・バークレイズ以来となる約1年ぶりの勝利をゲットした。4日間の平均飛距離は276.1ヤードと予選を通った73人中、66番目と飛ばない方から数えた方が早い。しかしフェアウェイキープ率、パーオン率はともに80パーセントを超え上位にランクイン。「フェアウェイに置いてグリーンを確実にとらえ、パットを入れる」という自身の持ち味を存分に生かした結果の勝利だった。
また、この日はチャールズ・ハウエルIII(米)が8アンダー62の猛チャージで前日の53位タイから6位タイ(通算11アンダー)へジャンプアップ。来季のシード権獲得へギリギリの戦いを続けている46歳のジョー・デュラント(米)も同じく6位タイでフィニッシュし、賞金ランク131位から115位のシード入り圏内(賞金ランク上位125人)へ浮上。なお、現在賞金ランクトップのマット・クーチャー(米)は通算7アンダー25位タイに終わっている。