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F.モリナリ、世界No.1プレーヤー下しWGC制覇!

更新日:2010/11/08 12:37
F.モリナリ、世界No.1プレーヤー下しWGC制覇!
F.モリナリがWGCシリーズの今季最終戦HSBCチャンピオンズを制覇。 (写真提供:AP Images)

 

 夕闇が迫る中、1メートル弱のパーパットを慎重に沈めたフランセスコ・モリナリ(伊)は、万感の思いを込めたガッツポーズを繰り出した。世界ランク1位に浮上したばかりのリー・ウェストウッド(英)を向こうに回しての息詰まるマッチレースを制したモリナリが、イタリア勢初の世界ゴルフ選手権(WGC)チャンピオンに輝いた。

 現地時間7日に行われたWGC-HSBCチャンピオンズ(中国、シャーシャン・インターナショナルGC)最終ラウンド。初日から首位を守り続けてきたモリナリが5アンダー67をマークし、2位のウェストウッドに1打差をつけ通算19アンダーで逃げ切りV。2006年の欧州ツアー、テレコム・イタリア・オープン以来4年ぶりとなる優勝でキャリア通算2勝目を挙げた。

 濃霧のためスタートが1時間15分遅れる中、最終日最終組で回るモリナリとウェストウッドのマッチレースは始まった。まずはモリナリが2番、3番の連続バーディで先手を取るが、前半はほぼ互角の戦い。後半に入ると10番でウェストウッドがバーディを奪い、モリナリに1打差に詰め寄る。

 勝負を分けたのは16番。288ヤードとワンオンを狙える短いパー4で果敢にグリーンを狙ったウェストウッドのティーショットが、サイドバンカーのさらに左のラフに捕まってしまう。刻んで2打目勝負と決めていたモリナリは、セカンドショットでピンそばのバーディチャンスにぴたり。一方のウェストウッドはアプローチの距離感を誤りグリーンを外すピンチ。3打目は絶妙のアプローチで何とかパーをセーブしたものの、楽々バーディを奪ったモリナリに2打差と突き放されてしまった。

 だが最終18番パー5でウェストウッドが再び見せ場をつくる。2オン狙いのセカンドショットをピンまで7.5メートルのイーグルチャンスにつけたのだ。飛ばないモリナリは3打目でグリーンをとらえたが、ウェストウッドがイーグルなら並ばれて決着はプレーオフにもつれ込む展開。ギャラリーが固唾をのんで見守る中、ウェストウッドのイーグルトライはわずか左にそれてバーディ止まり。パーをセーブしたモリナリがリードを守りきり完全優勝を遂げると、夕暮れの空を花火が彩った。

「簡単には勝たせてもらえなかった。リー(ウェストウッド)はさすがに世界No.1の実力者だったよ。でも最後まで自分自身をコントロールして勝つことができた。最高に嬉しい!」と勝利の喜びを噛み締めたモリナリ。奇しくも月曜日(8日)は自身の28歳の誕生日。モリナリは自らに最高のバースデープレゼントを贈ったことになる。

 大会前は世界ランクNo.1争いに話題が集中したが、終わってみればモリナリとウェストウッドの手に汗握るマッチレースばかりが印象に残った。3位タイに入ったルーク・ドナルド(英)とリッチー・ラムゼイ(スコットランド)が通算9アンダーでモリナリとは10打差。その数字だけを見ても優勝者と準優勝者の2人がいかに桁違いのゴルフをしていたのかが分かる。

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