宮里藍が輝いた60年目の米女子ツアー(Vol.1)
宮里藍の主戦場である米女子ツアーが、創立60周年という節目の1年に幕を下ろした。
現地時間12日、ツアー本拠地のフロリダ州LPGAインターナショナルで行われたQTファイナル最終ラウンドとともに各タイトルの受賞セレモニーが開催され、米女子ツアーは歴史的なシーズンを終了した。記念すべき年でもあった2010年のツアーは、世界29か国から集結したトッププレーヤーが延べ12か国を舞台としたトーナメントでプレー。1950年のツアー創立以来、最もグローバルな激戦が展開されたシーズンとなった。
ツアーのタイトル争いも国際色豊かな面々によって繰り広げられたが、シーズン序盤から主要なタイトルレースをリードしたのは藍だった。快進撃の始まりは2月に行われた開幕戦ホンダPTT LPGAタイランド。3位タイからスタートした最終日に『63』と爆発し、6打差をひっくり返す大逆転優勝を飾ったのだ。さらに翌週のHSBC女子チャンピオンズでも、3日目首位タイに立ち最終日は後続に2打差をつける逃げ切り優勝。1966年のマリリン・スミス(米)以来、実に44年ぶりとなる開幕からの2戦連続優勝を成し遂げた。
その約2か月後、開幕2連勝で賞金ランクトップを走っていた藍に突如激震が走る。2007年4月から3年以上に渡り世界ランクNo.1の座を守り続けてきた女王ロレーナ・オチョア(メキシコ)が電撃的に引退を発表したのだ。藍にとってオチョアは最も尊敬するゴルファーの一人であり、自身の親友でもある。そんなオチョアの引退試合となった5月のトレス・マリアス選手権。藍は初日ノーボギーの『63』で単独首位スタートを切ると、最終日の壮絶な優勝争いを制して今季3勝目。ウイニングボールをオチョアに手渡し、表彰式では大粒の涙を流しながら親友と熱い抱擁を交わしたのだった。