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2010年米男子ツアー総括 〜タイガー未勝利と欧州勢の台頭〜

更新日:2010/12/20 15:33
2010年米男子ツアー総括 〜タイガー未勝利と欧州勢の台頭〜

 

 タイガー・ウッズ(米)がプロデビュー以来初の未勝利に終わった2010年米男子ツアー。そのゴルフシーンを語る上で欠かせないのが欧州勢の台頭だろう。

 2月に行われた世界ゴルフ選手権(WGC)アクセンチュア・マッチプレー選手権でイアン・ポルター(英)が同郷のポール・ケイシー(英)を破って優勝を飾ると、4大メジャーのうちフィル・ミケルソン(米)が勝ったマスターズを除く3大会で欧州ツアーメンバーにタイトルを奪われる形となった。

 ヨーロッパ選手として40年ぶりの全米オープン制覇を果たしたグラエム・マクドウェル(北アイルランド)は、この勝利で「以前は世界ランクNo.1というものが雲の上の存在だったけど、今はいつか自分もそこに立ちたいと思えるようになった」と大きく自信を深めた。全英オープンでは欧州ツアーでわずか1勝しか挙げたことのない伏兵、ルイス・ウーストハウゼン(南ア)が並居る強豪を圧倒してメジャー初優勝。全米プロゴルフ選手権を制した若きマーティン・カイマー(独)は、その勢いのまま弱冠25歳にして欧州ツアー賞金王へと上り詰めた。

 また、“ポストタイガー”最有力の呼び声高い21歳のローリー・マキロイ(北アイルランド)はクエールハロー選手権で最終日『62』と爆発し、劇的な逆転Vで米ツアー初勝利。さらにセントジュード・クラシックで12年ぶりに米ツアー優勝を飾ったリー・ウェストウッド(英)が、タイガーを抜いて世界ランク1位の座についた。ウェストウッドを筆頭に、12月13日時点での最新世界ランクでは3位カイマー、7位マクドウェル、8位ケイシー、9位ルーク・ドナルド(英)、10位ポルターとトップ10圏内に5人の欧州勢がひしめく状況となっている。

 振り返れば、1999年全英オープンでポール・ローリー(スコットランド)が優勝して以降、実に8年間に渡りヨーロッパ選手はメジャー制覇から遠ざかっていた。2007年全英オープンでパドレイ・ハリントン(アイルランド)が優勝するまで、4大メジャーでの欧州勢の勝利はただの一度もなかったのだ。しかし、ハリントンが扉を開けたことでその後次々とメジャーチャンピオンが誕生。セベ・バレステロス(スペイン)やベルンハルト・ランガー(独)、ニック・ファルド(英)らが活躍した80年代のヨーロッパ黄金期が、今再び繰り返されようとしている。

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