本命なき開幕戦、ムービングデー終え3人が首位並走
昨季優勝者のみに出場が許される米男子ツアーのシーズン開幕戦、ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(ハワイ、プランテーション・コース at カパルア)は現地時間8日に第3ラウンドの競技を終了。マウイ島特有の重い海風が吹く中、通算18アンダーまでスコアを伸ばしたスティーブ・ストリッカー(米)、ジョナサン・バード(米)、ロバート・ギャリガス(米)の3人が首位に並んだ。
3打差の単独4位でカール・ペターソン(スウェーデン)が続き、この日7アンダー66の好スコアで回った昨季賞金王マット・クーチャー(米)が通算14アンダー単独5位に浮上。通算12アンダー6位タイに全米オープン王者のグラエム・マクドウェル(北アイルランド)とビル・ハース(米)がつける展開。
前日トップのギャリガスが1番ダブルボギー、2番ボギーと出だしでつまずいたことで混戦の様相を呈した上位争い。途中から抜け出したのが11番から5連続バーディを奪ったストリッカーだった。43歳のベテランはここ3日間のフェアウェイキープ率が86.7%と抜群の安定感で、第3ラウンドではさらにグリーン上でも技が冴え『26』パット。9バーディ、1ボギーの8アンダー65をマークし、4位タイから一気にトーナメントリーダーへ。昨年7月のジョン・ディア・クラシックに続く節目のツアー通算10勝目に王手をかけた。
ムービングデーに相応しく、この日はリーダーボードを選手たちが乱高下。8位タイスタートのダスティン・ジョンソン(米)が前半だけで4ボギー、1ダブルボギーを叩き13位タイに後退したかと思えば、クーチャーは4番から12番までの9ホールで7バーディを奪う猛攻。「風向きが昨日までとは全く逆。しかも強い風が吹いたのに、これだけ皆がスコアを伸ばしたのには驚いた」と語ったクーチャーは、自らのスコアに関しても「アンダーパーなら上出来と思っていた。まさかこんなに伸ばせるとは」と話し、嬉しい誤算であったことを明かした。
常夏のハワイを舞台とした昨季チャンピンたちの戦い。噛み合えばビッグスコアが出るコースなだけに、誰が勝ってもおかしくない展開だ。本命なきシーズン開幕戦の最後に笑うのは果たして…?