全米王者の貫録! G.マクドウェルが最終日11バーディ
3メートルのバーディパットがカップの右をすり抜けた瞬間、グラエム・マクドウェル(北アイルランド)のコースレコード更新と開幕戦Vの夢は消えた。だが最終日に11バーディを奪う快進撃を披露し、改めてメジャーチャンピオンの貫禄を見せつけた。
現地時間9日に行われた米男子ツアーのシーズン開幕戦、ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(ハワイ、プランテーション・コース at カパルア)最終ラウンド。圧巻のプレーぶりで優勝戦線を賑わせたのが、首位と6ストローク差の6位タイからスタートした昨年の全米オープン王者マクドウェルだった。
1番で幸先良くバーディ発進を切ると、3番から怒とうの4連続バーディ。前半9ホールをノーボギーの6アンダーで折り返す。ハーフターン直後の10番でバーディ、さらに13番から再び4連続バーディをマークし、この日ボギーなしの11バーディという猛チャージ。最終18番パー5でバーディを奪えば2003年に崔京周(韓)がマークしたコースレコード『62』を更新するところだったが、3打目をピンそば3メートルに寄せながらカップインならず、惜しくもタイ記録にとどまった。
それでも11アンダー62の会心のゴルフに「今日は良い1日だった。上位陣が軒並みスコアを伸ばしていたから自分も出来るだけバーディを獲りたいと思っていたけど、その通りのゴルフになるとはね。でも18番でバーディを獲れなかったのはちょっと悔しいかな」と、通算23アンダー単独3位と勝利にあと一歩届かなかった最終ラウンドを振り返った。
数年前まで「世界ランク1位は遠い夢物語だと思っていた」と語るマクドウェルだが、昨年は全米オープンでメジャー初優勝を飾り、ライダーカップで勝負を決めるマッチを制してブレイク。「頑張れば世界No.1の座も夢ではない」と思えるまでに成長した。今シーズン欧米を股にかけて戦う31歳には、何かとてつもないことをやってくれそうな雰囲気が漂っている。