メジャー最難関の全米オープン出場資格が変更
米男子ツアーのメジャー大会である全米オープンの出場資格が大きく変更される。
同大会を主催する全米ゴルフ協会(USGA)は現地時間5日に年次総会を開催。そこで決定されたのがアメリカゴルフ界最大のイベント、全米オープンの出場資格だった。今回最も大きく変更される点は、世界ランキングによる資格が拡大されること。全米各地で予選会を行う都合もあり、従来では大会3週間前時点での世界ランキング上位50名という出場枠を採用してきたが、昨年はこの期限を過ぎてからザ・メモリアル・トーナメントで優勝したジャスティン・ローズ(英)と2位に入ったリッキー・ファウラー(米)がトップ50以内に浮上するという事態が発生。しかし、これが大会1週間前だったため、結局2人は全米オープンに出場することができなかった。
この事態を受け、今年は全米オープン開催日程(6月16〜19日/メリーランド州、コングレッショナルCC)の3週間前と当該週のランキング発表日、つまり5月23日と6月13日の2回に分けて期限を設け、それぞれのトップ50の選手に出場権を与えることになるという。昨年の反省も込めた迅速な対応といえるが、今回の判断についてUSGA競技部門のチェアマンを務めるトーマス・オトゥール氏は「我々が為すべきことは我が国のナショナルオープンを最大限の競技レベルで開催することだ。それには出場選手のレベルを最も高いものにしなければならない」ときっぱり宣言している。なお、来年からは世界ランキングの出場資格がトップ60まで広げられ、期限は今年同様2回になる予定。
さらに、これまで前年大会上位15名(タイ含む)までに翌年の全米オープン出場権が与えられていたが、今年からは上位10名(タイ含む)に変更。したがって、昨年の全米オープンで14位タイに入ったジャスティン・レナード(米)とベン・カーティス(米)は目下世界ランク100位以下に沈んでいるため現時点で今年の出場権はなし。また、ザ・プレーヤーズ選手権優勝者に与えられていた当該年のみの全米オープン出場権が、当該年を含めた3年間に拡大される。
他にも細かい変更点はあるが、今回のUSGAの決定は世界ランキングへの信頼が厚くなったこと、ゴルフ界が急激にグローバル化していること、そして何よりメジャー最難関といわれる全米オープンがより“ホット”なプレーヤーを求めているということの証明だろう。 (STATS-AP)