遼、19位タイで2日目終了 「地震の日本を盛り上げる!」
世界ゴルフ選手権(WGC)シリーズ今季第2戦のWGC-キャデラック選手権(フロリダ州、TPCブルーモンスター at ドラル)は現地時間11日、日没サスペンデッドとなっていた第1ラウンドの続きと第2ラウンドの競技を行い、同大会初出場の石川遼が通算3アンダーで2日目のプレーを終了。首位のハンター・メイハン(米)に6打差の19位タイにつけている。
前日の石川は第1ラウンド12ホールまで終え6バーディ(1ボギー)を奪う快調なゴルフを展開。後半13番からスタートしたこの日も調子をキープし、15番で6メートル、17番で3メールのバーディパットを沈め前日からスコアを2つ伸ばしてホールアウト。この第1ラウンドで8バーディ、1ボギー、米ツアー自己ベストを3ストローク更新する7アンダー65をマークし、この時点で首位のメイハンに1打差の単独2位となる。第1ラウンド終了後、大会公式会見に呼ばれた石川に現地メディアから質問が殺到。だがそれは世界のトッププロが集結するWGCで単独2位スタートとなったことよりも、日本で起きたばかりの東北地方太平洋沖地震に関するものだった。
国内観測史上最大のマグニチュード8.8という歴史的震災をこの日の早朝にインターネットで知った石川は「もの凄く心配です。家族が無事だということが分かり少しは安心しましたが…」と神妙な面持ち。それでも「自分が日本人のアスリートとして海外で戦っているという自覚はありますし、スポーツの部分で少しでも日本を盛り上げられたらいいと思っています」と、海を渡って戦い続ける19歳はいつもの精悍な顔を見せる。そして、引き続き行われた第2ラウンド。平常心を保つことが容易ではない状況の中、インスタートの12番&13番でいきなり連続ボギーを叩いてしまう。さらに15番ではバンカートラブルから痛恨のダブルボギー。やはり大震災の動揺は隠せないかと思われた。
しかし、ここからズルズル後退しないのが石川の強さ。「自分のゴルフで日本を盛り上げたい」という信念のもと、17番パー4でセカンドをピンそば1.5メートルに寄せバーディ奪取。後半に入り1番をボギーとしたものの、直後の2番で15メートルほどの超ロングパットをねじ込み再びバーディを取り返す。その後も強風と池が絡む難関ホールを我慢のゴルフで凌ぎ、第2ラウンドは2バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの4オーバー76。通算3アンダーとスコアを落とし首位との差は開いてしまったが、天災に苦しむ母国へ希望を与えるべく残り2日間を全力で戦い抜く。
上位陣は、メイハンが通算9アンダーで前日に続き単独トップの座を守り、1打差の2位タイに世界ランクNo.1のマーティン・カイマー(独)とフランセスコ・モリナリ(伊)、2打差の4位タイでローリー・マキロイ(北アイルランド)ら4人が続く展開。その他、初日から同組でラウンドを回ったタイガー・ウッズ(米)とフィル・ミケルソン(米)は揃って通算イーブンパー34位タイ。石川以外の日本勢では、藤田寛之がタイガーらと並び通算イーブンパー34位タイ、池田勇太は通算3オーバー53位タイと苦戦している。