賛否両論飛び交う中、タイガーの復活優勝はなるか
タイガー・ウッズ(米)はジャック・ニクラウス(米)の記録を抜けるのか。
そんな話題が、マスターズ(現地時間7〜11日、ジョージア州オーガスタナショナルGC)開幕を前に現地で盛り上がっている。
プロとして初めて出場した1997年のマスターズで、史上最年少の21歳2か月23日で優勝を飾り、これまで様々な記録を塗り替えてきたタイガー。初めてのメジャータイトルとなったこの大会を皮切りに、これまでの13年間で14回のメジャー優勝を重ねてきた。
タイガー以上の記録となると、ニクラウスのメジャー18勝しかない。子供の頃からタイガーがニクラウスを目標にし、その様々な記録を年表にして自分の部屋の壁に貼り、それを抜くために切磋琢磨してきたのは有名な話。世界ランクNo.1の座にいるのが当然のような強さを見せていた時期には、ニクラウスの18勝を抜くのは時間の問題と見られていた。
ところが、一昨年に交通事故を起こして以来、スキャンダルにまみれての戦線離脱、スランプがあったことから、再び記録更新を疑問視する声が沸き上がってきたのだ。
昨年のマスターズでは、ブランクからの復帰戦だったこともあり、4位に入っただけでも悪くなかった。だが、その後も復活優勝をするどころか、見せ場のないままシーズン終盤に突入。最終戦となったツアー選手権の出場権すら得られずに終わってしまった。今季もこれまでファーマーズ・インシュランス・オープン、アーノルド・パーマー招待と2つの得意大会でも勝てずにマスターズを迎えているだけに、不安がないと言えば嘘になる。
だが、ニクラウスとの比較を尋ねられたタイガーは「いつも僕の目標はジャック(ニクラウス)を抜くこと。プロになる前からメジャー18勝は大きな目標だった」と、きっぱりと口にした。
昨年の不調がたたり、世界ランキング7位にまで転落したタイガー。前哨戦で優勝し勢いづいているライバルでディフェンディング・チャンピオンのフィル・ミケルソン(米)は3位と大きな差がついたが、それについては気にする風もない。
「大丈夫。タイガーはジャックの記録を抜ける」「いや、無理だろう」と、両方の意見が飛び交う中、大舞台での復活優勝を目指す。予選ラウンドを一緒にプレーするのは、グラエム・マクドウェル(北アイルランド)とロバート・アレンビー(豪)。マイペースでタイガーがプレーできれば、オーガスタの女神も5度目の微笑を向けてくれるかもしれない。