P.ハリントン今季2度目の失格危機回避
パドレイ・ハリントン(アイルランド)が視聴者の指摘で失格になったのは今季欧州ツアーのアブダビHSBCゴルフ選手権でのこと。ボールマーカーと置き換える際、ハリントンの手がボールに触れてごくわずか動いたのにもかかわらずプレーを続行したという指摘が視聴者から寄せられ、競技委員がホールアウト後ビデオ審査を行った結果、スコアの過少申告となり優勝争いから一転、失格となったのだ。
そして今週、米男子ツアーのウェルズファーゴ選手権の最終日(現地時間8日/ノースカロライナ州、クエールハローC)でもギャラリーの指摘であわや失格かと思わせる事態が起きた。
この日フィル・ミケルソン(米)と同組で回ったハリントンは終盤まで快調なゴルフで5つスコアを伸ばし、優勝戦線に浮上していた。そんな中、問題の現場となったは13番パー3。ハリントンがティーショットを打ち終えると、ギャラリーのひとりがマーシャルに「ハリントンがティーアップした位置はティーマークより前だったのではないか?」と言い出したのだ。それをマーシャルが競技委員に告げ、ラウンド後にその指摘を受けたハリントンは、競技委員に加え同伴プレーヤーのミケルソンとともにカートで現場に直行。ティーマークより前にティーを挿した跡はみつからず、ビデオ審査も行った結果「ティーマークの前にティーアップしていなかった」という裁定が下され無罰。結局、通算10アンダーでミケルソンらと並び9位タイでのフィニッシュとなった。
ハリントンは「自分としてはティーマークより15センチくらい後ろにティーアップしたつもりだった。(マークより先に)出た、出ないというのは結局水掛け論になってしまう。でも自分の正当性は主張したい」とあくまでも指摘を否定している。
視聴者からの指摘で失格になった例はハリントンだけではない。カミロ・ビジェガス(コロンビア)も今季開幕戦のヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズで、アップヒルのライからアプローチしたボールがグリーンに上り切らずに戻って来た際、まだ球が止まっていないのにディボット脇の葉っぱをクラブのヘッドで払ったとしてビデオ裁定の結果失格になっている。
もちろんルール違反はもってのほか。だかテレビに映る機会の多い有名選手だけが視聴者からのクレームで失格となるケースが多発するのはいかがなものか?と物議をかもしたこともある。
「絶対に疑われたくないから僕は微妙な場所には絶対にティーアップしない。これからはパドレイ(・ハリントン)もそうするはず」と言ったミケルソンの言葉が印象に残った。