タイガーの相棒とメジャー初優勝を狙うA.スコット
アダム・スコット(豪)が初のメジャータイトル制覇に向けて強力な助っ人を手に入れた。
米男子ツアー今季メジャー第2戦、全米オープン(現地時間16〜19日/メリーランド州、コングレッショナルCC)にメジャー15勝目をかけて出場するつもりだったタイガー・ウッズ(米)が、左アキレス腱とヒザの痛みでこれを断念。そのため、1999年からタイガーの専属キャディを務めるスティーブ・ウィリアムス氏が空いたことを知り、さっそくスコットが仕事を依頼したのだ。
「『もしタイガーが欠場することがあれば、いつでも連絡するからできればバッグを担いでくれ』とこれまでに何回もスティーブに言っていた。だから今週頼んだんだ」と打ち明けるスコット。スティーブはタイガーのキャディとなって以来、一度も他の選手のバッグを担いだことはなかったが、今回はタイガーに電話して許可を得ていると言う。
さらに「たった1週間のこと。大したことはないよ。でも一緒にできてうれしいよ。週末の午後(優勝争い)ができればうれしい。今でも専属キャディは探しているんだ」と口にした。だが、タイガーのメジャー14勝のうち13勝においてバッグを担いでいるスティーブの存在は、メジャー優勝経験のない30歳のスコットにとって大きな武器になる。タイガーの復帰戦とされている2週後のAT&Tナショナル(現地時間6月30日〜7月3日/ペンシルベニア州、アロニミンクGC)でも、タイガーがプレーしなければスコットと組む可能性も高く、スコットにとっては大きく羽ばたく千載一遇のチャンスとも言える。
スコットは4月に行われたマスターズでは優勝争いを繰り広げ、最終日に一度は首位に立ちながら、チャール・シュワーツェル(南ア)に勝利をさらわれ2位タイに終わっている。それだけに今度こそ、の思いは強い。スティーブはニュージーランド出身で、豪州生まれのスコットとは仲も良い。タイガー以前にはレイモンド・フロイド(米)、グレッグ・ノーマン(豪)のバッグを担いでいたスティーブだが、タイガーのキャディを始めてから、他の選手と組んだことはない。それでも以前、スコットがキャディを探しているとき、豪州にいるスティーブの弟であるフィルを紹介しようとしたりする間柄だ。
タイガーのキャディを帯同させたことで、優勝候補として一気に存在感を増したスコットのプレーから目が離せない。