北アイルランド勢が大会2連覇! 米国勢は沈黙
米男子ツアーの今季メジャー第2戦、全米オープン最終ラウンド(現地時間19日/メリーランド州、コングレッショナルCC)、22歳のローリー・マキロイ(北アイルランド)が大会最少スコアの通算16アンダーで2位に8打差をつけ歴史的勝利を飾った。
昨年のこの大会では同郷のグラエム・マクドウェル(北アイルランド)が優勝しており、北アイルランド勢が2年連続でアメリカ最高峰のナショナルオープンを制したことになる。また昨年から今年にかけ、2010年全米オープンのマクドウェル、2010年全英オープンのルイス・ウーストハウゼン(南ア)、2010年全米プロゴルフ選手権のマーティン・カイマー(独)、2011年マスターズのチャール・シュワーツェル(南ア)、そして今大会のマキロイと5大会連続でアメリカ人以外のインターナショナル勢がメジャー大会を制しているが、これは史上初。一方のアメリカ勢は今回タイガー・ウッズ(米)が故障で欠場、頼みのフィル・ミケルソン(米)も不発(54位タイ)に終わり、トップ10以内はわずか2人だけ(ケビン・チャペル、ロバート・ギャリガス)という情けない結果に終わった。
ちなみにこれまでのインターナショナル勢による連続メジャー制覇記録は1994年(マスターズ=ホセ・マリア・オラサバル(スペイン)、全米オープン=アーニー・エルス(南ア)、全英オープン&全米プロ=ニック・プライス(南ア))の4回。マキロイの優勝は現在の“欧高米低”のゴルフ勢力図を改めて実感させる出来事となった。
メジャー6勝のニック・ファルド(英)は試合終了直後にツイッターで「ホーガン(ゴルフの神様と呼ばれるベン・ホーガン)はその正確無比なショットで伝説となったが、それと同じ衝撃を全世界の人々がローリー(・マキロイ)に感じたはず」と綴り、後輩の快挙に最大級の賛辞を贈った。
また、全米プロチャンピオンのカイマーは「マスターズでの逆転負けがあったから、今回ローリー(・マキロイ)が勝ってくれて本当に嬉しい。今週の彼は我々とは違うゴルフをしていた。完璧に限りなく近いプレーだった。素晴らしい。彼と彼の家族のために喜びたい」と手放しで絶賛。ヨーロッパは北アイルランドが輩出したポスト・タイガーの星を誇らしく、そして温かく見守っている。