ゴルフ界のドン、杉原死去!
国内男子ツアー通算56勝の杉原輝雄が28日朝、前立腺ガンからリンパへの転移のためこの世を去った。
1957年に20歳でプロテストに合格した杉原は、プレーヤーとしては決してあきらめないプレーで知られ“まむし”と恐れられていた。身長160センチの小柄な体で飛距離も出なかったが、正確なショットとパットで青木功、尾崎将司、中嶋常幸らパワーのある後輩たちに対抗した。
その一方で84年に発足した選手会の初代会長として選手たちの意見を集約。それぞれが“お山の大将”であったプロゴルファー達をまとめる仕事で、国内ツアーの発展に貢献した。その功績とご意見番としての存在感から“ドン”というニックネームでも親しまれていた。
現役にあくまでこだわり、年齢を重ねてもプレーを続けていたが、97年に前立腺ガンが発覚。しかし、手術は受けずに投薬やトレーニングなどで闘病しながら戦い続ける道を選んだ。
2006年つるやオープンでは、世界を見渡しても最年長となる68歳での予選通過を達成したが、2009年、リンパへガンが転移。それでもプレーを続け、2010年中日クラウンズでは、同一大会51年連続出場という世界記録を達成した。
しかし、表面上は上手に病気と付き合っているように見えたが、やはり病魔はジワジワと杉原の体を蝕んでいた。
病状は徐々に進行し、今年5月の中日クラウンズ出場は断念。11月からは自宅療養していたが、数日前から食欲もなくなっていたという。
最期は、玲子夫人に看取られ、74歳で静かに逝った杉原。AONから石川遼まで、後輩たちは心からその死を悼んだ偉大な先輩は、54年間のプロ生活を最期まで現役選手として全うした。
なお、近親者のみで葬儀は行われ、後日、改めてお別れ会(詳細未定)が催される予定となっている。